君☆届妄想(風×爽)


□甘いキスの味
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甘いキスの味




朝目覚めると腕の中にある温もりに安堵する
何も身につけていない身体は
何度、俺を溺れさせるのだろうか


白い項を初めて見たのは夏祭り
藍染の浴衣から覗く白い項にぞくっとした
道行く男たちが皆こっちを見ている気がして
俺はわざとらしく体をぴったりと寄せた

「か・か・風早く・・・ち・近い・・です」
「浴衣で歩きにくいでしょ?」
「歩きにくいと言いますか・・・
 は・恥ずかしい・・・」

白い項が紅く色付く様が
俺をどんなに誘惑したか解ってない
そのまま連れ去りたい欲望を押さえ込むのに必死だったんだ



ぴったりと張りついた髪は昨日の自分が
どれほど必死だったかを表わしているようで恥ずかしくなる


いつもそうだ・・・
俺は爽子を前にすると我慢ができなくなる

白いシーツに漂う黒髪に何度も溺れる



白い背中をつーっとなぞれば身体を捻らせる
後ろから抱き締めながら
柔らかな肌に唇を落とす


何度も何度も・・・


顎を引き寄せピンクの唇へ近付ける

初めて交わしてから数えきれないほど味わっているのに
チョコレートの様に広がる甘さは何度味わってもまた欲しくなる


「ん・・・・・」

最後まで味わいたくて舌を絡めていくと
どちらからともなく甘い声が静かな部屋にこだまする

「ふふ・・」

幸せそうに微笑むから俺まで幸せになる
笑顔は伝染するんだよな


甘いチョコはお互いの熱ですぐに溶けてしまう
だからもう一つ


さっきは甘かったチョコは
今度は少しビターな大人の味


ほら、こうやってまた次が欲しくなるんだ


次はどんな味?
これ以上味わえば、またきっと君に溺れてしまう

だけど味わずにはいれない


サクッ

甘いチョコが溶けるとビスケットが顔を出す


「くくっ・・・もうダメ!!」

気付いてたのかな?
だけどいつもの君らしくない笑い方

「まだ欲しそうよ!餌付けしてる気分だわ」

餌付け?
爽子になら餌付けされたいよ
ううん・・・餌なんていらないくらいだよ


「ふ・ふ・二人ともそろそろ・・・」


二人?え?俺以外にも誰かいるの?


「えぇ!?」
「わっ!何、急に!」

「え?や・矢野?吉田?」

なんで?
目の前には手にポッキーを持った矢野と吉田


「あんたどんな夢見てたの?」

矢野がこっそりと耳打ちしてくる
ゆ・夢?

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ///」

“やっぱりね”と矢野に黒い尻尾が見える

「風早あんた寝ながら食い過ぎ!!」
「もしかして黒沼も?」

「あああ・・あまりに美味しそうに食べるので・・・
ごめんなさい〜〜〜〜!!!」


コイツ等の前で俺どんだけ食べたんだよ!
ってか・・・どんな夢みてるんだよ?


見たこともない黒沼の背中とか・・・
やべ・・・


初めてキスをしたのはほんの三日前のバレンタイン


「キスだけで妄想し過ぎじゃない?」
「キッ・・・妄・・・」


矢野には全部お見通しかよ・・・
ほんとヤダ!こいつ!


「爽子!それ頂戴!」
「あ・・・はい!」

「あああ〜〜〜〜!!!」
「ふぁに(何)?」

吉田は雛の様に口を開けて
黒沼は手にあったチョコを吉田の口に!!

「あんだよ!あんたもまたやってもらえば良いじゃん!」
「ええ?そんな!」

びっくりする黒沼に俺は小さく

「今度は起きてる時にやって」
「/////////・・・・・はい」
「//////////」

「うわっ!ベリタイムだよ!」
「退散!退散!」




いつか夢が本当になれば良いな!


それまでは甘いキスを







情緒的に書きたかったのに無理でそのまま夢オチに
そして最後はべり頼り
少しでも甘さが伝われば嬉しいです
そして少しでも楽しんで頂けたら幸せです
来てくださった女神様☆彡ありがとうございました
 

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