君☆届妄想(風×爽)


□夢現つ
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夢現つside爽子


「本当にいいの?」


大きな手のひらで私の頬はすっぽりと包まれてしまう

本当は恐い・・・

だけど・・・大好きだから・・・

もっと私を知ってもらいたい

もっと彼を知りたいの


私がゆっくりコクリと頷くと

優しく微笑んで顔が近づいてきた


少し長い口付け

閉じた瞳を開けると


優しくて強い“男の人”がいた

初めて見る風早くんの顔


ああ・・・彼はあとどれ位私の知らない顔を持っているのだろう

瞬きなんてしないで全て見ていたい

彼の瞳に映るのは私でありたい


あちこちに唇が降ってきて

私はただ暖かな唇に翻弄された

優しく、そして時に強く触れる唇

次に触れられるのが、どこなのか

身体に全神経を集中させて彼の唇を待っていた


頬に触れていた手は肩に触れ背中に優しく触れて


服の上から私の膨らみに触れた

その瞬間身体が熱くなる


恥ずかしい

風早くんがっかりしてないかな?

私の身体じゃ彼をがっかりさせちゃうかも知れない


「やっぱり嫌?」

「え?」


あ・・・私・・・泣いて

彼の人差し指が零れ落ちた雫を掬ってくれていた


「ごめん・・・俺」

「ち・違うの!」

「え?」


ちゃんと伝えなきゃ

風早くんはいつも私に伝えてくれる

私は言いたいことの半分も言えてない!

いつも私は風早くんに甘えちゃってるからっ!


「い・嫌じゃないの!」

「さ・爽子?」


私は顔を手で被って隠してしまう

恥ずかしい・・・だけど・・・

「好きなの!好きなの!私・・・
 風・・・翔太くんが大好きなの!!
 だ・大好きだからっ!は・恥ずかしくてっ!
 知りたいの・・・か・・・翔太くんの全てが・・・んんっっ!」


私の言葉は彼の唇に掬い取られてしまう


熱い

熱い

さっきまでとは違う深い口付け

優しく・・・強い・・・


「ん・・・風・・早・・く」

「ダメだよ!!」

「え?」

「これ以上好きにならせないで!
 俺・・・止まらないよ」

もう一度彼に唇を塞がれる

ごめんね

私はどんどん欲張りになっちゃってるの

あなたの瞳に映るのも

あなたの手が触れるのも

あなたの唇が紡ぐ言葉も

何もかも私でありたいと思ってる


「あっ・・・ん・・・」


「綺麗だよ・・・爽子」


動かしていた手を止めて彼は私を眺めていた

私は生まれたての姿になっていた


「あっ・・・や・・・」

「隠さないで!!俺のだからっ!」

「は・恥ずか・・・しい・・・の」

「うん、俺も恥ずかしいよ
綺麗な爽子を前にしてもう止まらない
こんな男の俺を見せちゃって!」

「そ・そんな!う・嬉しいよ!」

「俺も・・・嬉しい
 恥ずかしいのも嬉しいのも一緒だよ」

また、たくさんの優しさが降ってきた


ああ・・・これが夢ならば醒めないで








「ん・・・・・」

「爽子?」


あぁ・・・私の大好きな声

重たい目蓋を持ち上げると大好きな彼

夢じゃなかったのかな?

まだ夢の中なのかな?

夢ならば甘えて良い?

欲張って良いかな?


「しょーたくんだ」

「え?」

夢だったら良いよね

もうちょっとだけ・・・


この温もりが消えない内にいっぱい感じたい


目の前にある彼の身体にぴったりとくっつく


「わっ!さ・爽子?」

「やだ!!離れないで!」

彼が私を離そうとするのが解って

子供みたいに我儘を言ってしまう

あと少しだから・・・

夢の中だけで良いから


夢から醒めたらちゃんとするから


「しょーたくん・・・好き・・・」


いつもはちゃんと言えないから

夢の中だけは素直になるね

たまにしか言えないけどずっとずっと想ってるよ


「大・・・すき・・・」








寝呆け爽子に風早氏は悶絶してます!笑)
こんな二人の初めての朝でした
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