君☆届妄想(矢野×ピン)


□いちごミルク飴
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やのちん!誕生日おめでとー



いちごミルク飴




今まで出会った中でも最低な男

だけど一度堕ちると

それはそれは甘ーいいちごミルク飴の様に

何度もその甘さに酔いしれてしまう


「おー矢野!お前誕生日なんだって?」
「・・・そうだけど?」

そんな事言わないで・・・期待しちゃう

いつから私はこんなに情けない女になったのだろう?

男に何かを求めるなんて

付き合ってても忘れられる事なんて珍しくも無い

ましてや・・・ここでは教師と生徒


「てめー!いくつになるんだ?」
「はあ?あんたバカじゃないの?
 高校教師やってながらよく言えたわね!18よ!18!」

「なら大丈夫だな!」
「は?何がよ!」

「別に!俺様からプレゼントだ!ありがたく受け取れ!」

ポトリと手に落とされたのは可愛い包みの懐かしい飴

小さい頃よく食べたな


「なによこれ!」
「はあ?お前知らねえのか?いちごミルク飴だよ!」
「知ってるわよ!」


仮にも付き合ってる彼女の誕生日

仮にも年上の彼氏

即席にもほどがあるでしょ?

だけど・・・ホント情けない女

誕生日を知らなくてもプレゼントしようとしてくれた気持ちが嬉しい


「あんた他の女からもらったヤツじゃないでしょうね!」
「バカ!これは俺様が好きな飴で持ち歩いてんだよ!」
「ぷっ!ピンに一番似合わない飴ね!」

ついつい減らず口をたたくのは仕方ない

“ありがとう”なんて言えない


「ふっでもまあ有り難く頂くわ!」

包みの端をキュッと引っ張るとコロッと中身が見える

「わっ!バカ!俺のいないとこで食え!」
「へ?」

手のひらに転がるピンクの飴

「え・・・・・これ・・・」

目の前の男は頭をガシガシと擦りながら座りこんでいた
ピン・・・顔・・・紅い?

手のひらには可愛い飴とリング


「うそ・・・知ってたの?」


こんなのピンらしくない
いつも俺様で自己中の固まりの男なのに


「ふ・・・」
「あー!!!お前笑っ・・・・・」


あーもう!やられたわよ!
こんな男に泣かされるなんてね

「な・泣くなよ・・・」
「仕方ないじゃない・・・あんたがバカだからでしょ」

リングは私の指にぴったりはまる

左はまだ空けておくわね

いつかあんたが付けてくれる?

私は飴を口の中に放り込む

いちごの香が鼻をくすぐる

甘いミルクの味が胸を焦がす


「ホント!最低な男!」

目の前の男をグッと睨み付けて

首元に手を伸ばしてクイッと引き寄せる

目の前にはいつも背伸びをしても届かない男の顔


「なにすんだ・・・・」


全てを言いおわらないうちに自分の唇で塞ぐ

いちごの香がお互いを行き来する


舌を絡めながら飴をピンの口内へと運ぶ


「私にはこれで充分よ」


リングを飾った右手をひらひらさせながら

ヤツに背中を向ける

ホント・・・最低な男・・・

最高の誕生日になっちゃったじゃない!


ねえ・・・ピン・・・知ってる?

私の左手の薬指はサイズ違うんだよ?






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