長い妄想(君☆届連載)U


□そんな、休日
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そんな、休日 前編




「えぇーー?」

「なに、驚いてんだよ!お前だって翔太に喜んでもらいてぇんだろ?」



荒井先生に呼び止められて
今度、風早くんの家に行く事があるのかと聞かれた


ふと、次の日曜日に約束していることを思い出して
“あります”と言うと先生は風早くんに喜んでもらう方法を教えてくれた


でも、その方法に驚き声を上げれば
先程の言葉を言われて強く首を縦に振った


もちろん、風早くんには喜んでもらいたいと常に思ってる


何時だって風早くんが笑ってくれるなら
それが私の幸せで



私が感じる幸せを風早くんにも感じてもらいたいと



でも……



「そ、そんな事で風早くんは喜んでくれるのでしょうか?」

「けっ、男心がわかってねぇな!」



はっ!!


いつもそう、荒井先生の言っている事は正しい


下心が“心”だと教えてくれた人だもの!



「す、すみません!私としたことが!」

「解ればいいんだよ!実行しろよ!で?いつ行くんだ?」

「あ、今度の日曜日に………」

「ちっ、メモリあいやがって!」



メモリ……?


悔しそうな顔を見せた荒井先生は
“とりあえず頑張れ!翔太を喜ばせてやれ!”と激を飛ばしてくれた


あぁ、風早くん想いなんだなぁ


私も荒井先生に負けないくらい風早くんに喜んでもらいたいっ!



「しょ、精進します!」

「おう!!箍外すなよーっ」



私は、去っていく大きな背中に深く頭を下げた



箍って……


なんの事だろう?



・:*:・゜'★,。・:*:・゜☆・:*:・゜'★,。・:*:・゜'☆



「こ、こんにちわ!」

「いらっしゃい!」



眩しいほどの笑顔を向けられてくらくらする



お付き合いを始めてから何度かお邪魔した事のある、風早くんのお宅



実は、この連休で風早くんの御両親と弟さんは旅行に行かれたそうで
それを聞いた私は迷惑で無ければご飯を作らせて欲しいとお願いしたの


夕食は真田くんのお宅にお願いしているそうで
私はお昼ご飯のためにお邪魔させてもらった



「ごめんな!ありがとう!」

「ううん、こちらこそ無理にお願いしてしまって………」

「無理じゃないよ!すげぇ嬉しい!」

「あ、ありがとう///」



サービスと思えるほどの満面の笑み


その笑顔に決意を固めた



荒井先生!


私も風早くんに喜んでもらいたいです!


私は荒井先生が言っていた喜んでもらえる方法を思い返していた



よし!


頑張ります!



「じゃ、じゃあ・・・準備するので待っててもらえるかな?」

「あ、うん、母ちゃんには言ってるから好きに使って」

「あ、ありがとう!」



私はキッチンをお借りして
風早くんはリビングのソファーに座ってテレビを見ていた



なんだか……新婚さんみたい///



はっ!私ったら!


あまりに幸せな光景についトリップしそうになっては我に返る
そんな事を繰り返していた



「お、お待たせいたしました!」

「わっ!すげぇ!美味そう!」

「お口に合えば良いですが……」



つい調子にのって沢山作ってしまったけど
風早くんはそんな事は気にしていない様で
“いただきます!”と手を合わせると勢いよく食べ始めた


わっ!すごい食欲!


男の子って……



「ふふ」

「あ……俺……がっつき過ぎた?」

「あ………ご、ごめんなさい!何だか嬉しくて!」



思わずもれた笑いに風早くんの手が止まってしまって

慌てて誤解を解くと“そっか、良かった”とまた食べ始めた



あ、“今”なのでは?


荒井先生の言っていたことを思い出し
私も置いてあったお箸を手に取った







(ピンのアドバイスはまぁ、定番の感じ?
あまり期待しないで下さいネ(笑))
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