if(君☆届け パラレル)


□白衣の天使
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ゴホッ!ゴホッ!

「翔太〜風邪?病院行ってきなさい」

いつもは風邪くらいでは行く気にならないけど
今回はやばいかも・・・

薬貰わないと長引きそうだな
週末だし今行かないとやばいな

「病院行ってくる〜」


ゴホッ!ゴホッ!

せっかくの冬休みなのについてない!


近くの病院に入ると玄関では煌びやかに飾られたツリー

そっか・・・もうすぐクリスマスだ

そんな事を一瞬考えた頭も直ぐ様熱を持ち
フラフラしながらも自然に椅子へと腰掛ける
夕方なのもあって人も少なかった



はあ・・・まじで辛ぇ・・・





ふわっ


突然俺の体は暖かいものに包まれた
気持ち良さに、そのまま意識を飛ばされそうになりながら
少し目を開けると黒くて長い髪が見えた


「えぇ?」

こんなに声を出す元気が残ってたのかと
自分自身に驚いてしまう


「あわわわ!すみません!勝手に!」


目の前で女の人はぺこっと頭を下げている

自分の着ていたコートを掛けてくれたみたいだった


「いえ・・・ありがとう!」

女の人はやっと顔をあげてくれた




ドキッ



女の人・・・と言うよりは
俺とそんなに歳も変わらない感じだった

真っ白な肌に大きな瞳
頬と唇の紅がさらに色の白さを引き立てていた


「これ・・・掛けてくれたんでしょ?」

「あ・・はい・・・何だか震えていたみたいで」
「そっか・・・ホントありがとね!」


何だかあまりに申し訳なさそうにしているから
ちゃんともう一度お礼が言いたくなった


大きな瞳をさらに大きくさせて驚いたあと
本当に優しく・・・笑ったんだ
初めて女の人を綺麗だと思った




その瞬間俺はもう恋に落ちていたのかもしれない



「だいぶ辛いですか?」
「え?」

「入って来た時から辛そうだったので」
「あ・・・そうかも」


突然白い手が俺の額に触れる

「ーーーーーーーーっ」


やばい!!
心臓が飛び出そう!!


「うわっ!すごい熱ですよ?」
「えっ!熱?」

だから辛かったのか・・・
熱なんて出したの小学校以来じゃねぇかな?
彼女のひんやりとした手が心地よくて

少しづつ心臓が落ち着いていく
目をつぶると手が離されてしった
追い掛けるように閉じた目蓋をこじ開けると
心配そうに覗く彼女の瞳と合わさる


「お家は近いですか?」
「う・家?近いけど」

「さしでがましいのですが帰りお家までお送りしても良いですか?」
「え?」

「あの・・・いえ・・・ストーカーとか呪いとかではありませんので!!」

ストーカー?呪い?
必死な彼女がすごく可愛くて
俺は思わず“お願いします”って口にしてた

一人じゃない安心感と
彼女の居心地の良さもあって
俺はそのまま意識を飛ばしてしまった
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