Door Of Crimson
□たからもの
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すぐにきれいな人が迎えに来てしまった
「雅治…??雅治!?大丈夫!?」
「あぁ…精市……助けてくれたのか…?」
その人じゃないよ
助けたのは 俺
岩陰に隠れて二人の会話を聞いた
心が抉られる様だった
「泳いできたの忘れちゃったのかい…??俺じゃないけど…君を助けたのはね でもここで看病してたのは俺だよ」
その綺麗な人はにこりと笑った
男の人だったけど
逞しい
かっこいい
可愛い
というよりは
綺麗
という感じ
正しいことを言ってくれた
いい人だった
でも俺はあの人のことを嫌いになった
こんなに好きなのに
あの人が近くにいて一緒に話すことができて
俺は出来ない
なんて
そんな悲しいことがあるんだろうか
あのいい人を恨むのは嫌だったけど
自分の運命を呪うとともに
嫉妬心を燃やした
いいなぁ
おれも
にんげんなら
よかったのに
、