Door Of Crimson
□光のさしこむ方へ 2人で笑って生きていけたら
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「なぁ…俺たちの生きていた世界は
今どんな感じかなぁ?」
丸井がふと俺に問いかけた
まるでここが死者の世界のような言い方
もちろんそんなはずはなく
ここは紛れもない日本領土
俺たちがいた 神奈川にそう遠くない場所
でも
俺には丸井の言い方が
なんだか正しいもののように見えた
ここは
あの幸せだった場所とは違う
幸せだったあの場所が
戻ってくることはもうないから
「さぁ…雪が降ってるからのぅ…向こうもきっとおんなじように雪じゃ」
「そぉかぁ…向こうだったら みんなと雪合戦とかできたんだろうなぁ……」
丸井は頬を赤くさせながら
寒そうにふぅっと息をついた
こいつを守って
あの場所へ
帰してやりたい