Door Of Crimson

□怖いね 死ぬのも生きるのも
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「よしっ 何とか火ぃついたけぇ」



仁王は木の枝を寄せ集めて
火をつけた

そして俺を呼び寄せた










「おいで ブン」


俺のことを優しく呼ぶ仁王







こんな
こんな状況で







キミヲボクハ
シンジテイイノ?









そんな不安が頭をもたげる






俺はさっき
ジャッカルに狙われていて
仁王が助けてくれた





こいつが助けてくれるなんて
意外だったけど


今もなんだか

すごく親切にしてくれてて









昔のこいつと違って
なんだか優しい




昔って言ったって
ゲームが始まる三日前だけど






皆 三日で大きく人格が変わった



ジャッカルだって――…






仁王の態度が変だなぁって思いながらも 仁王と一緒にいないと 俺がすぐに殺されてしまうのは明らかなことで





「おう」








俺は疑っていることを悟られないように なるべく自然に距離を置いて座った








「ほら」



仁王が自分のリュックの中に入っていた食べ物を俺に差し出す







「どうせ食べつくしちまったんじゃろ?…俺はいいから食べ?」




俺に食料を差し出すなんて



どういう神経してるんだろう







こんなときに俺に食べ物なんかちらつかせたら俺は全部食べてしまう



もともと食べるのが好きだし
今だってお腹すいてるし



俺が食糧を食べつくしたら

そしたら自分は





仁王は餓死してしまうのに










「…」
「食べん??」


食べ物を差し出して
優しく笑う仁王







ごめん 仁王




俺 こんな状況だから
お前のこと疑ってる










もしかしたら

毒が入ってるんじゃないか










って








.
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