Door Of Crimson

□夢幻の闇を照らしてくれる光 それはきっと
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「丸井先輩 ちょっとこっちに来てくれないっすか??」



部活の帰り道

後輩の赤也から声をかけられた。




「何だよ?…ちょっと待ってろよぉ…」


急いでと急かされたので俺は急いで準備をした。






「…よし で何?」
俺は近づきながら赤也に問いかけた。




「此処じゃ…ちょっと……。あっち…来てくれません??」





赤也は
すごく深刻そうな顔をしていて
少し心配だったので
俺は言われるがままについて行った。







「此処…何処??」





赤也について行くと
もう使われていない廃屋に連れて行かれた。









埃っぽくて暗い部屋






「なぁ赤也?」
「先輩…先輩が悪いんすよ…」




その声が聞こえたとほぼ同時に
俺は床に強く叩きつけられた。









「ぐっ……何すんだよぃ!?」



俺が怒って赤也をにらみつけると赤也も負けじとにらみ返してきた。










「あんたが…仁王先輩のこと…俺らから盗ったんだ……」
「!?」


俺が驚いて前のめりになると赤也は俺を殴り飛ばしぽつりと話しだした。


「俺たちは先輩のセフレだった…。それでも良かった……。先輩は大勢いるセフレを分け隔てなく愛していたし…誰のものでもない 皆のものだったから…。でも先輩 あんたを先輩が好きになってから……先輩はあんたに夢中………。俺たちを全部切ってまであんたを振り向かせようとした!!」





赤也の瞳には怒りの色がくっきりと浮かんでいた。






「俺…そんなの知らないっ…ぜんぜん……赤也たちのことなんて…聞いてない…」

首を振って否定すると赤也は下を向いて自虐的に笑った。


「あぁ…そうでしょうね……。隠してましたもん 仁王先輩。俺と…他の女とヤったこと。貴方に…お前に汚いものを見せないために!!」



赤也の目はあっという間に充血していった。



赤也の瞳は赤かった。

外の夕日なんて比べ物にならないくらい







真っ赤で










「輪姦されてもらいますよ。俺らの痛みをお前に……そして分からせてやるんだ!!あの人に…!!」








赤也は




あははははははっ



と軽快に笑った。












でも


少し寂しそうに見えた。








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