Door Of Crimson
□大切な人を守る?笑わせるなよ
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仁王は歩いていた。
真っ暗な森の中で
月明かりだけを確かに歩くようなそんな状態で。
仁王は笑っていた。
楽しいのだ。
人を殺していくのが。
狂っている訳ではない。
純粋に楽しい。
楽しいのだ。
自分に助けを請う無様な人間。
協力しよう、なんてバカな事を言いだす人間。
そんな奴等を蹴散らして、殺して、人目に付くように飾り付ける。
それを見た臆病な奴等は震え上がるだろう。
この中に
今まで普通に一緒に生活してきた人間の中に
ゲームに乗ったヤツがいる、と。
仁王はもう既に12人も人を殺していた。
最初殺した時は…って最初の事なんて仁王はもう忘れていた。
恐怖はない。
背徳感もない。
ただ
あぁ死んだ
そう思っただけ。
仁王は1人前に殺した奴の事をもうほとんど覚えていなかった。
興味がないのだ。
今
殺戮マシーンと化した仁王が興味があるのは生き残りを殺す事だけ。
本当に
それだけだったのだ
、