相棒短編

□ワインバーにて
1ページ/1ページ

 都内某所にあるワインバー。ここで、大河内は旧知の仲である神戸と酒を酌み交わしていた。
「どうだ、最近。」
「変わりないですよ。」
「杉下とは上手くいってるのか?」
「まあ。相変わらず大変ですよ、あの人についていくのは。」
そんな他愛のない会話をしながら、2人は酒を楽しんだ。
 大部酔いが回ってきた時、ふいに携帯が鳴った。
「あっ、すみません。」
そう言うと、神戸は携帯を確認した。どうやらメールのようだ。
 その様子を見た大河内は、神戸をいぶかしんだ。メールを見たとたん、神戸が困った顔になり、なにか思案しているようだったからだ。
 「ふぅ…。」
しばらくして何やら返事した神戸は、ため息をついた。
「どうかしたのか?」
「いいえ。何でも。」
「何でもないようには見えないが。何か面倒な事しでかしたんじゃないだろうな。」
「まさか。」
そう言うと、神戸はワインを一口飲んだ。
「ただ、ちょっと寂しい思いをさせたかなあ、って思っただけですよ。」
「誰に?」
「さぁ?」

fin

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ