相棒長編

□第2話背信
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 「あっ。」
特命係と捜一の5人が防犯カメラの映像を確認していると、神戸が突然声を上げた。
「どうかしましたか?」
「この人達、見覚えがあります。」
そこには夫婦らしき男女が映っていた。
「おい、これって食品会社社長の元木遼じゃないか?」
「本当だ。」
「神戸君、一体この夫婦と何があったんですか?」
「5年前、僕は同僚と元木氏主宰のパーティーに上司に誘われて同僚と来ていました。」
神戸にあの時の記憶が甦る。
「その時、彼らの娘さんが自殺未遂を。救急車で運ばれましたが、今だに意識不明だと聞いています。」
「おい!!元木夫妻の居場所を確認しろ!!」
「はい!!」
伊丹の声に芹沢が走る。
「その時、現場には誰がいましたか?」
「僕と相田勝、藤本実の3人です。まさか、他の2人も?」
「その可能性はあります。行きましょう。」
「はい。」
「あっ、ちょっと。」
2人に三浦の声は届かなかった。
 2人はまず、相田を訪ねた。
「やあ、久しぶりじゃないか。」
「そうだな。」
「で、今日は何の用だ。」
「5年前の事を聞きたい。一体、何があった?」
「僕はあなた達の叫び声を聞いて駆け付けたんだ。その前に何があった?」
「別に。彼女がなかなかトイレから戻ってこないから様子を見に行っただけさ。」
「…。」
「さぁ、俺も忙しいから。」
そう言って相田は立ち去った。
 「彼は嘘をついてます。」
特命係の小部屋に戻ると神戸は言った。
「僕の記憶では、彼は彼女がパーティー会場を出てそう間を空けずに抜け出していました。」
「そうですか。」
「5年前に一体何が…。」
「それよりも、何故、今事件が起こったのか気になります。」
その時、右京の携帯が鳴った。
「はい、杉下です。…そうですか。すぐに向かいます。」
「どうしました?」
「藤本さんの遺体が発見されたそうです。」
「えっ!?」
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