Inuyasha
□その先
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昼間といえども寒い冬の日――
川に素足を浸し,静かに涙する少女
「かごめちゃん!」
仲間が来て慌てて涙を拭ったかごめ
「珊瑚ちゃん…」
「なにやってるの!風邪引いちゃうよ…かごめちゃん?」
俯いている彼女の顔を覗き込むと涙のあとが見えた。
そして珊瑚はかごめを抱き締めた。
「…辛いんだね……」
「珊瑚ちゃん…」
堪えていた涙がまた流れ出した。
犬夜叉はというと今は桔梗と話をしている。それを見てしまったかごめはみんなのいる小屋に戻れず,1人川にいた。
そこに戻ってこないかごめを心配して珊瑚が探しに来た。
「犬夜叉のやつ…」
「…珊瑚ちゃん,犬夜叉は悪くないよ。悪いのは勝手に嫉妬している私なの」
「…かごめちゃん…」
「もう大丈夫だから,楓ばあちゃんの小屋にもどろ?」
ニッコリ笑って言うかごめが珊瑚には痛々しかった。
かごめたちが小屋にもどり,暫くして犬夜叉が戻ってきた。
その晩,かごめは「食欲がない」と言って夕飯を食べなかった。
翌日一行はまた奈落を追いに旅立った。
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