Inuyasha
□誤解
1ページ/3ページ
「き…ききょ…う…」
「…っ!」
洗濯物を終え,御神木で無防備に眠っていた彼を見つけ,しばらく彼の寝顔を見つめてたら,そう寝言を言った。
祝言を挙げ,共に生きると誓った今でも彼の心には巫女であった彼女は存在し続けるのか――――
どうしようもない気持ちになって,かごめは眠っている彼を残して走り去ってしまった。
無意識に走ってたどり着いたのは,もう繋がらない骨喰いの井戸―――
「ばかみたい…もうあっちには行けないのに…」
そのままかごめは井戸のそばでしゃがみこんで泣いていた。
「かごめちゃん…?」
辛いときいつもそばにいてくれた親友である珊瑚がいた。
「かごめちゃん!!どうしたの!?」
いつもと違う様子で走り去ったかごめを見かけ,気になって追いかけて来た。
珊瑚の存在に気付き,涙を見られまいと慌てて涙を拭った。
「な、なんでもないの!ちょっと井戸を見たくなっちゃって…」
なんてデタラメ。珊瑚はかごめを後ろから抱き締めた。
「珊瑚ちゃん…?」
「…辛いことあったんだね…?」
珊瑚の優しい言葉に堪えていた涙がまた流れてきた。
「やっぱり…桔梗には…適わないよ…」
「え…?」
.