Inuyasha
□互いの罪
1ページ/12ページ
「どうしよう…」
かごめがいるのは森の中―――
犬夜叉がこんな真夜中に桔梗のもとへ行ってしまった。
泣いてみんなを起こしてしまわないように,かごめは小屋を出て森へ入ってしまい,道に迷ってしまった。
楓の村ならまだしも,ここは旅先の知らない土地。
すると目の前に妖怪が飛び出してきた。かごめは弓矢を持ち合わせていなかったので,逃げようとしたら,足首を切りつけられ動けなくなってしまった。
「(犬夜叉…!助けて…!)」
そう思ってぎゅっと目をつぶっていたら,妖怪が消し飛んでいた。
「(犬夜叉!?)」
だが現れたのは犬夜叉ではなく,蛮竜をもった人間の男・蛮骨だった。
「ば,蛮骨!?」
「お前…確か犬夜叉の女だったか」
「そんなんじゃないわよ…」
自分に歩み寄ってくる蛮骨を見てかごめは殺されると思った。
「こ,来ないでっ!」
「安心しろ。人間の女を殺す趣味はねぇ」
蛮骨はかごめの怪我に目がいった。
「怪我してんな…」
「大丈夫よ…これくらい」
すると蛮骨はかごめを抱き上げて歩き出した。
「ちょっと!なにすんのよ」
「それじゃぁ歩けねぇだろ」
確かに…。かごめはそう思って蛮骨に従うことにした。
.