Inuyasha
□安心する存在
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…まずいとこを通ってしまった。
それは戦の跡。
それも激しい戦いだったのか,首があちこちにごろごろ転がっている。
「これはひどい…」
「すごい戦だったみたいだね…」
冷静に話す弥勒と珊瑚。
犬夜叉はというと大量の血の匂いでキツそうだった。普段ならばかごめが「大丈夫?」と声をかけるのだが,現代の人間である彼女は何度出くわしても慣れなくて,匂いで具合悪くなっていた。
「かごめちゃん,犬夜叉大丈夫かい?」
「俺は大丈夫だ。かごめ…」
彼女を見ると顔が血の気がひき,真っ青だった。
「背中に乗るか?」
「だ,大丈夫…」
そう言いながらもやはり辛そうにして,犬夜叉の袖を掴んだ。
「無理すんなよ…?」
「うん…」
するとボトッとかごめの目の前に何か落ちてきた。――生首だった。鳥が落としたのだろう。取られたばかりか目が開いていてかごめを見ている。
かごめはそれを見てしまい、ついにフラッと倒れてしまった。
「かごめっ!」
間一髪でかごめを抱き止めた犬夜叉。
「かごめ様にはキツすぎますな…」
「とにかくここを早く抜けないと…犬夜叉,急ぐよ!」
珊瑚の声で一行はスピードをあげて,村を抜けた。
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