Inuyasha

□朔の夜
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するとかごめは傷にひびかないようにそっと犬夜叉に抱きついた。


「独りにしないでよ!」


「!」


「犬夜叉がいるからこの時代に戻ってきた。今幸せよ?でも…私にはもう犬夜叉しかいない。…犬夜叉がいなきゃ生きている意味なんてないの…」


その言葉に犬夜叉はかごめを強く抱きしめた。


「犬夜叉,傷…」


「傷なんてなんともねぇ。…かごめ,俺はお前を絶対に独りになんかしねぇ」


「でも…っ…」


「お前が戻ってきてくれてやっと掴んだ幸せを手放せるかよ。お前を遺して死ねるわけねーだろ」


犬夜叉は自分で言って気がついた。

かごめに出会う前までは自分が生きることで精一杯だった。

でもかごめに出会ってから少しずつ想いが変化し,いつしか命に代えてでもかごめを守りたいと思うようになった。

そして月日が流れ,かごめがこの戦国の世に舞い戻り、共に生きると誓ったこれからは自分の命を犠牲にすることはあってはならない。

犬夜叉は自分で気づかぬうちに少しずつ想いが変わっていたことに気がついた。


「お前を遺してなんか…」


「犬夜叉…?」


犬夜叉の異変にかごめは顔をあげた。


「傷痛むの…?」


なおも自分の体を気遣うかごめが愛しくて,犬夜叉は彼女の頭を撫でた。


「まだ寝なくていいのか?」


「今夜は寝ないよ?」


「…は?」


「だってどうせ犬夜叉も寝ないとか言うんでしょ?だったら私も起きてるわ」






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