Inuyasha
□生きがい
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「ただの風邪じゃな」
小屋に運んだ犬夜叉を診て,楓が言った。
「か…風邪!?犬夜叉が!?」
かごめは驚きを隠せなかった。朔の日であればまだわからなくもないが,今は半妖。そんな頑丈な男が風邪を引くなんて…。
「本当にただの風邪?」
楓は動揺を隠せないかごめを見てくすっと笑って「そうだよ」と返した。
「倒れるまで無理してたなんて…」
「ヤツも気付かなかったのかもしれんな。しばらくうちにいるといい。犬夜叉の看病頼むぞ」
「ありがとう!犬夜叉のことは大丈夫よ」
かごめの返事を聞いて,楓は小屋から出て行った。
「(犬夜叉…)」
いくらただの風邪でも,自分の愛する人が寝込んでいると心配だった。
「…かご…め…」
「犬夜叉!大丈夫?あんた風邪だったのよ」
「あぁ…なんかフラフラしてたぜ…。」
するとかごめは犬夜叉の額に手を置いた。
「結構熱高いみたい…しばらく安静にしてなきゃダメね」
「あぁ…」
普段なら「このくらい」と無理をしようとする彼でも,素直に返事をした。
「(犬夜叉…相当辛いのね…)」
「かごめ…」
と犬夜叉は布団から手を出した。
かごめは彼の言いたいことを察し,くすっと笑って手を握った。
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