Inuyasha
□幸せ
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「おぅ。…かごめ?どうかしたか?」
「(どうかしたか?じゃないわよ)…なんでもないよ」
かごめは一生懸命笑った。
すると犬夜叉がいきなり抱きしめてきた。
「犬…夜叉…?」
「…」
犬夜叉は何も言わず,かごめに顔を近づけたとき,かごめはふと昼間の映像を思い出した。
「いやっ!!」
気がつくとかごめは犬夜叉を突き放し,口づけを拒否していた。
「かご…め…?」
かごめは名前を呼ばれ,我に返った。
「ご、ごめん!ちょっと…びっくりしちゃって…疲れてるみたい…。も、もう遅いから寝よ?」
そう言うなり,かごめは布団に入った。
翌朝―――
この日犬夜叉は弥勒と隣村まで妖怪退治に行くことになっていた。
「行ってらっしゃい」
「あぁ,行ってくるぜ(かごめの笑顔…どこか違う…)」
そう思ったが,口には出さず,かごめの頭を撫でて,行ってしまった。
それからかごめは囲炉裏のそばに座って考えていた。
「(どうして…口づけしてたの…?私なんかいらなくなっちゃった…?)」
彼が村の娘のなかで人気があるのはわかっていた。元々かっこいい彼が最近は棘がとれて,誰にでも接するようになったのだから。それでも彼に接近する者がいなかったのはかごめという村の巫女であり,彼の妻の存在があったから。
「(それでも…こういうことがあった。…もしかして…犬夜叉から!?)」
考えていたらとんでもない答えにたどり着いてしまった。
すると小屋に誰か入ってきた。
「かごめちゃん!あ、いたいた!」
「珊瑚ちゃん!」
「楓様がね,たまにはかごめとゆっくりしておいでって言ってくれて,子どもたち預けてきたの」
「そう…なんだ」
「かごめちゃん?」
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