Inuyasha

□あなたの優しさ
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楓の村に着いても犬夜叉は目覚めなかった。


「犬夜叉…ごめんね。私のせいで…」


「かごめちゃんのせいじゃないよ…」


「でも私を背負ってたせいで…」


「大丈夫ですよ,かごめさま。こいつは丈夫なやつです。あんな程度の妖怪の障気くらいで死にませんよ」


「弥勒さま…」


だが2日経っても犬夜叉は目覚めなかった。


「犬夜叉…」


「かごめちゃん…ほとんど飲まず食わずで体に悪いよ…」


「珊瑚ちゃんありがとう…でも大丈夫だから」


するとかごめは立ち上がって小屋から出て行こうとした。


「かごめさまどちらへ?」


「水汲みに行ってくるわ。犬夜叉のことお願いね」


そう言ってかごめは小屋から出て行った。


「見てられませんな」


「うん…犬夜叉早く目を覚ましなよ…」


「犬夜叉のあほ…」


七宝が涙ながらに呟くと弥勒が七宝の頭を優しく撫でた。
しばらくして犬夜叉が目を覚ました。


「「「犬夜叉!!」」」


「珊瑚!!かごめさまを!!」


「わかった!!」


珊瑚はかごめを呼びに小屋から出て行った。


「どこも悪いとこはありませんか?」


「あ,あぁ。大丈夫だ」


「まったくこのバカ犬心配させおって…」


ゴンッ
「うぁーん!!弥勒…」


「本当に心配したんですよ(どこにも異常はないみたいだ)」


「すまなかったな…」


そこで珊瑚とかごめが帰ってきた。
かごめは犬夜叉を見た瞬間犬夜叉に抱きついたが,彼の手によって勢いよく引き剥がされた。


「犬夜叉…?どうし…」


「お前…誰だ?」


犬夜叉の思いも寄らぬ発言にその場が凍りついた。


「犬夜叉…冗談はよせ。よりによってかごめさまを…」


「冗談じゃねぇよ」


「ごめん…ちょっと…」


そう言ってかごめはまた小屋から出て行ってしまった。
すると珊瑚が七宝に耳打ちした。


「七宝…妖怪が出ると危ないから,かごめに付いててあげて」


「わかったぞ」


と,七宝はかごめの後を追った。

なぜかごめだけの記憶がないのか…珊瑚が考えているとハッとした。


「法師さま、これって…」


「心当たりあるのか?」


「もしかしたら一昨日出くわした妖怪…障気を浴びると一番最後に見た人が記憶から消されるって聞いたことがある」


犬夜叉が気を失う直前に見たのは―――かごめだった。


「記憶を戻す方法は!?」










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