Inuyasha
□無茶しないように
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弥勒が話し始めたが,犬夜叉はいまいち弥勒の言いたいことが見えてこない。
「おい弥勒。お前なにが言いたい?」
「喧嘩売ってるわけじゃありません。ただかごめさまの巫女としての勤めはお祓いだけでないはず。体とか大丈夫なのか?」
「けっ、お前が言うほどかごめはヤワじゃねぇよ」
「そうですか。犬夜叉がそう言うなら心配ありませんね」
本当は嘘だ。弥勒がかごめを心配するのがなんだか面白くなくて,あんなこと言ったが,内心犬夜叉は弥勒が言う以上にかごめが心配だった。
弥勒の言うとおり連日お祓いが続いていて,そのついでに妖怪退治まで頼まれることもあると言っていた。
その上,桔梗が欠かさずやっていたと聞き,やり始めた禊ぎ。薬草の管理や村人の相談相手。そして家事すべてをこなしてきた。
犬夜叉はなにかひとつでも手伝ってあげたかったが,半妖でがさつでぶっきらぼうな自分にはどれも勤まらず,彼女を見守ってあげることしか出来なかった。
弥勒と分かれ,匂いでまだかごめは家に帰ってないと判断し,楓の村を通り越して,かごめと楓を迎えに行くことにした。
おそらく2人はもうこっちに向かっているが,楓の足では時間がかかっているのだろう。
しばらく走ると巫女装束を纏った2つの影が見えた。
「かごめっ!」
「あ…犬…夜‥」
犬夜叉を呼びかけたかごめはフラッと気を失い倒れてしまった。
「かごめっ!?」
かごめの異変に気付いた犬夜叉はスピードをあげ,間一髪でかごめを抱き留めた。
「かごめっ!!」
「すまなかった,かごめ。」
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