Inuyasha
□スレチガイ
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かごめは懐かしいが嫌な記憶が甦ってきた。
自分が寝ている間にいなくなる彼は必ず―――
「(桔梗と会っていた…でも,桔梗はもういない)」
じゃぁ彼はどこへ―――??
「そのうちに帰ってくるか」
自分に言い聞かせるようにそう呟いた。
けど,やっぱり気になってかごめは外を歩いてみることにした。
するとかごめの目は遠くからでもわかる緋色の衣に銀色の髪の人物の姿を捕らえた。
彼が向かっている先は―――
「(あっちは…。)!!!」
桔梗の墓―――
するとかごめは夢のことを思い出す。
「(犬夜叉…やっぱり桔梗のとこに逝きたいんだ…)」
家に帰る気にもなれず,とぼとぼと歩いて着いた場所は御神木だった。
「御神木…私と犬夜叉が出会ったのは…間違いだった…?」
御神木は答えてくれるはずもなく,かごめは御神木の根元に座り膝を抱えて顔をうずめた。
巫女は弱い自分を見せてはいけないことはわかっていたが,今の彼女には無理だった。
すると少女の声が聞こえた。
「かごめさま…?」
「か,香苗!?こんなとこ1人で来たらダメじゃない!」
「ごめんなさい!でも…かごめさま…どうして泣いてたの?」
「…え?」
自分で泣いていることに気付かなかった。泣いている自分を追ってこの少女はここまで来てしまった。
かごめは香苗を抱きしめ、また涙を流した。
「かごめさま?どこか痛いの?」
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