連載
□贈り物
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「はぁ…あのバカ,過保護すぎんのよ」
「愛されてる証拠だよ?」
珊瑚はクスクス笑いながら,かごめをなだめた。
「それは嬉しいんだけどさぁ…」
「犬夜叉は性格があんなんだからね…私が初めて妊娠したとき弥勒もすごかったんだから!」
「(そういえば弥勒もさっき言ってたなあ)弥勒さまどんなんだったの?」
「外に行こうとすると,どこに行くんだとか,私が立てば何をしようとしているだとか…」
珊瑚の言う弥勒を想像すると思わずかごめは笑ってしまった。
「だから犬夜叉もしょうがないと思うよ?」
「そっかぁ。弥勒さまもかぁ…」
いい機会なのでかごめは経験済みの珊瑚にいろいろ聞いてみることにした。
「ねぇ珊瑚ちゃん。一番辛かったこととかは?」
「辛かったことか…。産んだ後かな」
「??」
「なんか不安定だったんだよね…」
「!(これがマタニティーブルーね!)」
かごめは高校時代に学校で習ったことを思い出した。
「イライラしたり,弥勒にあたっちゃったこともあったな…」
「でも弥勒さまは…」
「うん。弥勒にあたる私を受け止めてくれたのは嬉しかったな」
いつの間にか珊瑚の惚気話になっていた。
「弥勒さまは大人だしなぁ…犬夜叉じゃぁそんなことできないな…」
「大丈夫だよっ!」
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