連載

□恐れていた可能性
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「珊瑚の言うとおりだ。自分を責める必要はない」


「とにかくかごめちゃんのそばにいてやりなよ」


「あぁ。」


「われわれにできることがあれば,何でも言いなさい。」


「悪ぃな…」


そう言って犬夜叉はかごめの眠っている小屋に入っていった。


「まったく…わかりやすいやつだ」


「本当に…誰よりもかごめちゃんが大切なんだね…」








「犬夜叉ちょっと来い…」


小屋の中でかごめの手を握って彼女を見つめていた犬夜叉に楓が声をかけた。

犬夜叉が再び外に出ると楓は難しい顔をして話しだした。


「わしは今まで何人も赤子をとりあげてきた。…だがかごめとお前の子なら…どうなるかわからん…もしかしたらかごめはそのまま…」


「!!!」


それは犬夜叉自身も恐れていたこと。人間から妖しの血が混ざった子を産むのは容易いことではない。

出産後その母親の体内に妖しの血が残っていればその母親は,無事ではいられない。それは犬夜叉の母親がそうだったからわかっていた。

でも実際楓から聞くとやはり犬夜叉は動揺を隠せないでいた。


「わしもかごめとお前との子なら尚更全力を尽くしたい。…だが,万が一…‥万が一の話だ,かごめと子どちらかしか生きられないとなった場合,どうする…‥?」


楓とてこれを聞くのは辛かった。もっとも身近な存在であった2人の子であると思えば尚更辛かった。
それを察して犬夜叉は落ち着いた声で答えた。


「どっちか選べっていうなら…‥かごめが助かった方がいい…かごめがいなくなるのは絶対に避けてほしい…‥頼む」


「…わかった。だが,かごめならきっと大丈夫じゃ。」


「あぁ」





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