連載
□疑惑
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2ヵ月後―――
結希が生まれて半年が過ぎた頃,かごめの体調は楓の言ったとおり,時間はかかっているが確実に良くなっていた。
「犬夜叉さま…」
「ん?」
犬夜叉を呼んだのは村の娘だった。最近頻繁にいろんな娘が犬夜叉になにやら話をしにくる。
そして彼は娘とともに外へ出て話をすることが多くなった。
「(早速浮気…?)」
「ははうえ…」
かごめは無意識に怖い顔をしていて,その顔に結希は怒られるのではと泣きそうになっていた。
「ご、ごめんね,結希」
泣き虫なのは自分譲りなのだろうか,と思いながら結希の頭を撫でてやった。
そこで犬夜叉が戻ってきた。
「犬夜叉…私もう見過ごすほど心広くないよ…」
「え?…お前何言って…」
「そうだよね…。私だけを見てるなんて約束してないもんね…」
そう言ってかごめは出て行った。
「かごめ!!お前体は…」
「大丈夫だから…ついてこないでっ!」
珊瑚ちゃんが言ってたのはこのことか、とかごめは出産前に珊瑚から聞いた言葉を思い出した。
「(でも…やっぱり犬夜叉は追ってこない)…ついてこないでって言っちゃったし…」
川まで来たとき,胸に激痛が走り,その場に倒れ込んだ。
「…うっ…くっぅ…くるしっ…‥」
「かごめっ!!」
犬夜叉はかごめを追ってきていた。
「犬‥夜…叉。ついてこないでって…言ったじゃない…」
「ばかやろうっ!!そんな体でお前の言うこと聞けるかよっ!」
犬夜叉は急いで小屋に戻り,かごめを寝かせた。
「ははうえ〜」
「大丈夫だ,結希」
しばらくしてかごめが目を覚ました。
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