Inuyasha
□君以外…
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「桔梗…あなたはいろんなことに命懸けだった。50年前は犬夜叉のあとを追って死んだ。奈落を倒すことより琥珀くんの命を助けてくれた。弥勒さまから障気を除いて犠牲になった。それに比べて私は…この戦国の世で生きるのに精いっぱいで,犬夜叉のこと傷つけちゃうし,ただ泣いてばかりで役立たずで…‥桔梗が死んじゃうなら私が死ねば良かったのかもね…」
そこで言葉が途切れた。背中に温もりを感じたからだった。
「犬夜叉?どうしたの?」
慌てて涙を拭って立ち上がるかごめの手を引いた。
「もう墓参りはいいだろ?」
「え,ちょっと…」
犬夜叉はかごめの手を引いて小屋に帰った。
「犬夜叉?なに怒ってるの?」
「…」
かごめが問いかけても,犬夜叉は俯いたままなにも言わなかった。
「犬夜叉!」
かごめはしびれを切らして名前を呼ぶと,犬夜叉は振り向き,かごめと向き合った。
「かごめ」
「…ん?」
「俺は今1番しあわせだ」
「?…私もよ?」
「それでもお前は桔梗じゃなくて自分が死ねば良かったって言うのか…?」
犬夜叉は悲しいような怒ったような顔をかごめに向けた。
「だって…桔梗は常に命懸けで,桔梗のお陰で救われた命はたくさんある」
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