Inuyasha
□文―ふみ―
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珊瑚は涙を流すかごめの頭を優しく撫でてやった。
「かごめちゃんのせいじゃないよ。きっと犬夜叉にとってこれが半妖であるが故の宿命なんだよ」
「うん。…だけど,それじゃなくてね,私…拒絶しちゃったの…」
「え?」
「犬夜叉は拒絶されると一番傷つくこと知ってるのに…私はあの時犬夜叉を怖いって思っちゃって…拒絶しちゃったの…」
「かごめちゃん…」
「私犬夜叉を探して来なきゃ!」
「え?今から!?」
「もちろんよ!」
「無茶だよ!もう暗いから妖怪も出るし危ないよ!」
「大丈夫!ちゃんと弓持って行くから!」
「だったら私も…!」
「だーめ!子どもたちいるんだから!」
「…」
「ありがとね,珊瑚ちゃん!」
「かごめちゃん気をつけてね」
かごめは珊瑚に手を振って小屋を出た。
「犬夜叉ーっ!」
そのころ犬夜叉は,かごめに合わせる顔がなくて木の上に身を潜めていた。
「(もし…)」
―――もしかごめが普通の人間と夫婦になりたかったとしても,かごめは優しいから俺を傷つけたくなくて,俺から離れられなくてずっと我慢させることになる。かごめが我慢するなんて俺が耐えられねぇ。だから,このまま…。
「(かごめ…)」
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