小説
□願い事
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部活を終えて、制服に着替える。窓の外を見ると真っ暗だった。
着替えを終わらせ、道場を出た。
外に出ると、吐く息が白い。
もうすぐ冬が終わるとはいえ、やはり日が沈むと冷える。
だが、部活を終えたばかりの私には丁度心地のよい寒さだった。
そして、寮に向かって足を進める。
冬の夜はわりと好きだ。
夏の夜みたいに虫の鳴き声はしない。
世界にいるのは自分だけなんじゃないかと思うほど、静寂に包まれている。
1人だけの世界。
何も気にせずに、自然体でいられる。
少しすると、肌の火照りもなくなって汗も引いてきた。
麻帆良学園の校舎を遠目に見ながら、1日を思い返してみた。
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