小説


□花粉症
2ページ/5ページ





痒い目をこすりながら購買についた。そして、見つかるだろうか、という心配はすぐになくなった。

今の時期は買う人が多いらしく、花粉症のコーナーがあった。


薬がたくさんあってよく分からないので、とりあえずマスクを手に取る。他にも目薬や塗り薬等があったが、大丈夫だろうと思って会計に行こうとすると、






「あや?せっちゃん?」

「あ、本当だ」



「・・!お嬢様にアスナさん」

「こんな所におるなんて珍しね、何買うてたん・・って、マスク?」


「あ・・これは・・」

「もしかして、刹那さん花粉症なの?」

「いや・・あ、・・これは龍宮にです。花粉症になってしまったみたいで」

「せっちゃん、そんな真っ赤な目で言われても説得力ないえ」

「・・えっ?!」


・・あ、目を掻いていたからか。

「今の慌てよう、やっぱり刹那さん花粉症なんだ〜」



私が慌てたのを違う意味でとらえたアスナさん。・・もう言い訳はできそうにない。

「・・はい。今年からなってしまったみたいで」


「えー、大丈夫なん?ならもっと色々買わんと!」

そう言って、お嬢様は塗り薬やら目薬やらを手に取る。

「コラコラ、このか。それは買いすぎだって」

「えー、でも花粉症て大変なんやろ?」

「まぁ。・・あ、私も自分の買わなきゃ」


そう言って、マスクや薬等いくつか手に取ると会計に行くアスナさん。




「アスナさんも花粉症なんですか?」

「うん、去年からなったて言うてたかな〜」

「そうですか。・・花粉症がこんなに辛いとは思いませんでした」

また目を掻いてしまう。

「あ、あんま強く掻いたらあかんで」

「・・はい。でも・・」
我慢できずにどうしても掻いてしまう。

「せっちゃんてばぁ」




「はい、刹那さん」

「アスナさん?」

「この目薬さして、少し我慢して。後は冷えたタオルとかが痒みがひくよ」

「・・ありがとうございます」



言われたとおりにやってみる。






.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ