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□雨。
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「…雨、か」

ざあざあと降り出した雨は止む様子も無く。
先程まではあんなにも晴天であったと言うのに。

などと呟いて傘の隙間から曇天を見上げ溜息をつけば、灰色の雲と落ちてくる雨粒しか見えなくて。

「…日輪が、見えぬ」

しかし俄雨であるのだろうか、太陽光によってうっすらと光る雲を見つけ、思っていたよりも雲は薄かろうと気分を上昇させもう一度空を見れば、先程よりもいくらか薄くなった雲が見えた。

「元就」

不意に背後から聞こえた声に振り向けば愛しき彼の者がいて。

太陽のように微笑む彼に

「…まるで日輪のようだ」

とでも呟いてやれば彼は少しだけ驚いた顔をして、

それはアンタにとって、どういう意味何だろうなぁ

などと言い、そしてすぐにまた微笑んだ。気づけばいつの間にか雨は止んでいて、先程と同じように太陽が燦々と輝いている。

「元親」

名を呼び、好きだ、と言えば彼は嬉々としてその大きな腕で我の小さな身体を包み込む。

雨と、海と、太陽の匂いがした。







雨。























あとがき


チカナリ第二弾。腐向け吹っ切れた記念に。言い訳は致しませぬ

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