-空手紙-

□第2話
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プロローグ弐から、一週間。

劉斗は一人、コンビニの袋を手に提げて、神社へと続く道を歩いていた。

ひたすら歩き、やっと神社に着く。

「凛音!」

凛音を大声で呼ぶ。(神社で大声を出していいのか…)

すると、神社の境内から、凛音がヒョコッ、と、顔を覗かせ、目を輝かせる。

「あ、リュウトっ!来てくれたんだ☆」
「…まぁ、一応、協力するって言っちまったしな。」

そう言いつつ、地面にシートを広げて座り、コンビニの袋からシュークリームを五つ取り出した。

「ほら、凛音。シュークリーム、買ってきたぞ。」
「わぁい!いっただっきまぁ〜す!!!」
「あ、こら、凛音、一つは俺のだからなっ!」


ほほえましい光景であるかも知れないが、実際、凛音は、劉斗と慧にしか見えないようになっていて。

他人から見れば劉斗は、
軽く変質者であった。

しかし、不幸中の幸とでも言うのか…
人はこの神社に来ることはない。

だから劉斗は安心して大声を出せるというわけである。

「そういえば、凛音。」
「ん〜?」

思いついたように凛音を呼ぶ。

「空手紙は集まったのか?」

口の端にクリームをつけて凛音が答える。

「ん〜とねぇ、全然ダメ…(泣)」
「一つも集まってないのか?」
「うゅ…ごめんなしゃい」

うるうるとした瞳で凛音に見つめられ、言い返すことができない劉斗。

「ま、まぁ、別にお前を責めてるわけじゃねーけど。」
「あ、そーなの?てっきり責められてるのかと…はぁぁぁあ…よかった…これで安心してシュークリームが食べられるよ!」
「…お前なぁ、神様なんだろ?もっとしっかりしろよ…」
「えへへ〜ゴメンゴメン;」
「ったく…」

そんな会話をしていると、

「劉斗!空手紙、一通落ちてたよ!」

慧がヒラヒラと、水色の封筒を振りながら歩いてきた。

「あーっ!ケイ!どうしたの、その空手紙!」
「そこの坂に落ちてたんだ。」
「ここに来る途中に力尽きちまったみたいだな。かなり遠くから飛ばされてきたんだろう。」
「リュウトすごい!そんな事までわかるんだ!」
「…まぁ、一応、呪術師だし。それより、中身、なんて書いてるんだ?」

中身の文章は凛音にしか読めない文字に変換されている。

ピリリ、と封筒の上を破き、なかから便箋をとりだす。

「…っ…リュウト…」
「凛音?どうした?」
「これ…」
「なんて書いてある?」

そこには、劉斗たちも読める文字で、こう、書かれていた。

『コロシタイヒトガイル』

と…


P.S.あぁぁぁ、スイマセンスイマセン;
別にホラーじゃないですからっ!

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