-空手紙-
□2.プロローグ弐
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プロローグから、三年後の四月。
小さな神社へと続く坂道を、二人の青年(?)が歩いていた。
「うわー!桜がきれいだ!こんな桜見たの久しぶりだね、劉斗!」
少し、おっとりとした顔の青年が、隣を歩いていたもう一人の青年…劉斗(リュウト)に言った。
それを聞いて、少しふて腐れた様子で、劉斗が言う。
「…あのなぁ、慧。引っ越して早々からなんでお前の神社めぐりに付き合わなきゃならないんだ?!」
劉斗が慧(ケイ)に言う。
「えぇ〜?良いじゃないか。どうせ、ヒマだったんでしょ?」
「まぁ…」
慧に言われて、言葉につまる。
「それに」
そんな劉斗を気にもせず、慧は言葉を続ける。
「《この世のどんな願い》でも叶えてくれるらしいよ?」
その、慧が言った、《この世のどんな願い》でも、と、言う単語にビクリ、と劉斗が反応する。
「…本当か?」