その他短編
□感動的な話の後には必ずオチがある。これお約束。
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私は、仕事をし始めた。
沖田さんに言われた通り、この一週間泣き続けてサボった分を取り返すように。
副長補佐だった私は、土方さんの仕事を引き継いだ。
隊士と同じように市中見回りや、怪しいものがあれば現場に向かって、
隊士たちのスケジュールを調整して、
世の中の流れを知り、山崎さんに調べてもらった。
たまにお偉いさんとの食事なんかにも誘われて、
武士の道は忠義だと言う土方さんを思い出す。
毎晩のように、夜遅くまで仕事をしていた土方さん。
ずっと一人で抱え込んでたんだなって分かった。
勲)「夕葉ちゃん、最近頑張ってるねー。」
『はい、沖田さんにサボった分働けって言われました。』
勲)「無理しないでね、…今までトシがやってた事、全部引き継いで。」
『いえ、大丈夫です。』
勲)「…それで、さ。」
『何ですか?局長。』
勲)「夕葉ちゃんに副長になってほしいんだ。」
『………、…それはお受け出来ません。』
勲)「えっ、じゃああのサボってばかりの総悟に譲るってのか?それじゃあ、トシに申し訳ねェ。」
『私は今でも副長補佐です。私に副長なんて地位は似合わないし、今も昔も…私にとって副長は土方さんだけなんです。』
勲)「そうか。」
見上げた空は、輝いて見えた。
あの時のように悲しくない。
あなたがまだ、私の中で生きているから。
『(…土方さん、…向こうでミツバさんに会えたかなー…。)』
『それじゃあ、仕事しましょう。私、また沖田さんの始末書書かなきゃいけないんですよ。』
勲)「…無理しないでね、総悟にはよく言って聞かせるから。」
『言って聞いたら、土方さんもあんな苦労してないと思いますけどねー…』
部屋に戻ろうとした時、沖田さんは相変わらず人をおちょくるようなアイマスクを付けて寝ていた。
『沖田さん!!起きてください!!』
総)「うっせーな、母ちゃん。今日は日曜日だぜ?」
『今日は水曜日です!!!今は見回りに行ってる時間のはずでしょう?
人が作ったスケジュール無駄にする気ですか?みんなの調整するの大変なんですから。』
総)「安心しなせェ、俺の代わりに山崎が行ってまさァ。」
『何で山崎さんんんん?!何でよりによって、昨日も調査お願いして、夜通し潜入操作してた山崎さんん?!』
総)「だって、今朝サボってカバディしてたから…」
『アイツ…報告書も出さないでいい度胸じゃないか…。疲れて眠ってんだと思って大目に見てあげたものを…。』
総)「…ちゃんと土方アノヤローの仕事受け継いでんだねィ。」
『私がやらなきゃ誰がやるんですか?沖田さんやってくれます?』
総)「俺は副長にはなりたかったが、仕事すんのはごめんだね。」
『じゃあ、何で副長になりたかったんですか。』
総)「…土方のヤローを倒してならなきゃ意味がないんでィ。
なのに、アノヤロー、俺に勝ったまま死にやがった。…永遠に超えられねーじゃねーかよ。」
『…沖田さんにとっても、…副長は土方さんだけって事ですね。』
総)「…不本意だけどな。」
あなたは永遠に、私たちの副長です。