その他短編

□落し物
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こうして、夕葉は沖田総司の小姓を勤める事になり、立派に仕事をこなしていた。





『お茶です。』

総)「見回りの時に、お菓子を買ったので、一緒に食べましょうw」

『私も食べていいんですか??』

総)「もちろんです。夕葉さんのために買って来たんですから。」

『ありがとうございます。』


2人が縁側でお菓子を食べている頃…


土方は、そんな2人の姿を目にした。


歳)「中々よく働く小姓だな…なあ、市村。」

鉄)「ウゲッ…!!」

歳)「また茶をこぼしたな、…それと、洗濯やり直し。」

鉄)「はー…」



市村鉄之助、ため息をついて洗濯やり直し。



『…あ、鉄くん。』

総)「また、土方さんに怒られちゃってますねー」

ふと、沖田の膝に居た豚、サイゾーを見て、夕葉は呟いた。



『…サイゾーって、土方さんに似てますね。』

総)「そうですねー…ここには、似た者同士が4人^^」


『…4人も居ます??』

総)「ええ。」


夕葉は『4人…??』と、疑問符を頭に浮かべ、
『土方さんでしょ、サイゾーでしょ…あとは…鉄君??…それとー…誰…??』
と呟いていた。


沖田は、そんな夕葉の姿を、大笑いするのをこらえながら見ていた。




『…沖田先生、ご馳走様でした。私、少し鉄君を手伝ってきますね。』


そう告げて、彼女はその場を立ち去る。



『鉄君!!手伝うよ!!』

鉄)「お、夕葉、ありがとな!!」


鉄と夕葉は同年代と言う事もあり、仲が良かった。



総)「類は友を呼ぶ…ですかねー…」

などと、呟きつつも、沖田の喉のあたりには、苦いものが滞っていた。




沖田から少し離れた場所で、声が聞こえる。


『鉄君!!ちゃんと洗う!!ここ、汚れ落ちてないよ。』

夕葉が『やり直し』と言いながら、鉄に洗濯物を突きつけた。


鉄)「夕葉、土方さんより厳しーよ…」



『じゃあ、手伝わないけど、いい??』

鉄)「ごめんなさい。」




総)「クス。」

そんな光景を見て、沖田は微笑んだ。


総)「(4人目…あなたですよ。夕葉さん。)」








左)「夕葉、よく働くなー」

新)「ほーんと。」

平)「可愛い小姓を独り占め、なんて沖田さんいいなー」




『原田さん、永倉さん、藤堂さん。』

左)「あは。」

新)「どーもー」

平)「夕葉ちゃんは今日も可愛いなー」



『…そんな笑って誤魔化してもダメですよ。
何してるんですか??こんな所で。』




洗濯物の間から、3人の姿を見つけた夕葉。


『今、稽古の時間じゃ無いんですか??』


左)「…はは。」

『笑って誤魔化さないでください。』

新)「夕葉ちゃん怖いヨ。」

『怖いなら、早く行ってください。』

平)「沖田さんも出てないのに…」


『…沖田さんはー……相手が居ませんから。』



その場を何とか誤魔化した夕葉だったが、沖田にだけは甘い様子。




歩)「ホンマに、みーんな、夕葉ちゃんには頭上がらへんなー」

『そんな事…「「「ありマス。」」」


言葉をさえぎる馬鹿3人組は、それだけ言うと道場に向かった。




歩)「あの、土方さんでさえ、…ホンマ、夕葉ちゃんは最強や。」






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