るろうに剣心長編

□拾伍話
3ページ/7ページ


今日、私の決意は固まった。


京都に行く。そして、無事に帰ります。





『沖田先生…。』


さて、準備をしておかないといけませんね。



『(この本、どうしよう…。)』

部屋にある本を見渡す。



『(1冊くらい、持っていけないかなー…??)』
…なんて、ダメですかねー…??←本命


薫)「…夕葉。」

『薫さん…。』


薫)「剣心から聞いたわ。今日、沖田先生のお墓に参ってきたんですって?」

『…はい。』



別に隠す事じゃないのに…。


“新撰組”―…つまり、剣心達の敵に当たる人。
やましい事じゃないと言いつつ、気にしているのは私のほうだ…。



薫)「隠す事じゃないじゃない。」

『そうですよね…でも、今日行って、私…』



薫)「土方さんと沖田さんよりも頑固…だから、
京都に行く事は、もう硬く決まってしまったのね。」



『…はい。』


薫)「…でも、ちゃんと、ここに帰ってくるんでしょう??」






少し間が空いたが、

『…はい。きっと…いや、絶対に無事に帰ってきます。』



薫)「…じゃあ、荷物はここに置いていきなさい。
本も、筆も、硯も…捨てるなんて勿体無いでしょ。」


『ありがとう。』




薫)「その代わり、絶対だからね。絶対、ここに戻ってきてね。」

『…分かりました。』





『…左之さんは、これで納得ですか??』


左)「…気付いてたのかよ。」

『左之さんくらいの人の気配は気付けなきゃ、京都に行けませんよ。』

左)「…俺の事、馬鹿にしてんな!!」

『だって、左之さんは馬鹿だから^^』

左)「正直にハッキリ言うんじゃねー!!」

薫)「あ、認めるのね…^^;」







『…左之さん、私は京都に行きます。』

左)「1人で行くのか??」



『…それは、緋村さん次第です。』

左)「…ッ剣心は、行くのか??行かねーのか??」

『まだ、分かりません。彼は、その話になると黙るから…。』






『もし、…緋村さんが、行くと言えば、私は緋村さんと共に行きます。』




『…左之さんの言う通り、私は緋村さんが大切ですから。』




左)「俺は、お前が…(剣心の事を好きだって言ったのに…。)」


私は、睨むように左之さんを見ていた。

その鋭い目つきは、おそらく左之さんには理解できたはず。

薫さんには、私の決意のように思われた事だろう。



左)「(あくまでも譲ちゃんの前では言うなってか…。)」



『私は、緋村さんと同じ、偽善者になって…
新撰組が殺した、…多くの罪を私が償います。』




だから、私の力は、明治の平和のために…。





左)「頼まれたのは暗殺だぞ。」

『志々雄さんですか??…私に殺せるような男じゃないですよー。』

左)「…じゃあ、お前は京都に何しに行くってんだ…。」



『私は、少しでも多くの人を守るために行きます。』



緋村さんを…追いかけてきたあなた達を…。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ