るろうに剣心長編
□拾伍話
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今日、私の決意は固まった。
京都に行く。そして、無事に帰ります。
『沖田先生…。』
さて、準備をしておかないといけませんね。
『(この本、どうしよう…。)』
部屋にある本を見渡す。
『(1冊くらい、持っていけないかなー…??)』
…なんて、ダメですかねー…??←本命
薫)「…夕葉。」
『薫さん…。』
薫)「剣心から聞いたわ。今日、沖田先生のお墓に参ってきたんですって?」
『…はい。』
別に隠す事じゃないのに…。
“新撰組”―…つまり、剣心達の敵に当たる人。
やましい事じゃないと言いつつ、気にしているのは私のほうだ…。
薫)「隠す事じゃないじゃない。」
『そうですよね…でも、今日行って、私…』
薫)「土方さんと沖田さんよりも頑固…だから、
京都に行く事は、もう硬く決まってしまったのね。」
『…はい。』
薫)「…でも、ちゃんと、ここに帰ってくるんでしょう??」
少し間が空いたが、
『…はい。きっと…いや、絶対に無事に帰ってきます。』
薫)「…じゃあ、荷物はここに置いていきなさい。
本も、筆も、硯も…捨てるなんて勿体無いでしょ。」
『ありがとう。』
薫)「その代わり、絶対だからね。絶対、ここに戻ってきてね。」
『…分かりました。』
『…左之さんは、これで納得ですか??』
左)「…気付いてたのかよ。」
『左之さんくらいの人の気配は気付けなきゃ、京都に行けませんよ。』
左)「…俺の事、馬鹿にしてんな!!」
『だって、左之さんは馬鹿だから^^』
左)「正直にハッキリ言うんじゃねー!!」
薫)「あ、認めるのね…^^;」
『…左之さん、私は京都に行きます。』
左)「1人で行くのか??」
『…それは、緋村さん次第です。』
左)「…ッ剣心は、行くのか??行かねーのか??」
『まだ、分かりません。彼は、その話になると黙るから…。』
『もし、…緋村さんが、行くと言えば、私は緋村さんと共に行きます。』
『…左之さんの言う通り、私は緋村さんが大切ですから。』
左)「俺は、お前が…(剣心の事を好きだって言ったのに…。)」
私は、睨むように左之さんを見ていた。
その鋭い目つきは、おそらく左之さんには理解できたはず。
薫さんには、私の決意のように思われた事だろう。
左)「(あくまでも譲ちゃんの前では言うなってか…。)」
『私は、緋村さんと同じ、偽善者になって…
新撰組が殺した、…多くの罪を私が償います。』
だから、私の力は、明治の平和のために…。
左)「頼まれたのは暗殺だぞ。」
『志々雄さんですか??…私に殺せるような男じゃないですよー。』
左)「…じゃあ、お前は京都に何しに行くってんだ…。」
『私は、少しでも多くの人を守るために行きます。』
緋村さんを…追いかけてきたあなた達を…。
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