その他短編
□悪夢も突然に…。―高杉晋助ver.―
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「お前ら、校門の前で何やってんだ!!」
と、体育の怖い先生がやってきた。
『あ、先生!!助けてください!!見に覚えが無い人に絡まれてて…警察呼んで!!』
晋)「あ゛?テメェ、さっきまで普通に喋って…」
「お前、うちの生徒に手ェ出しやがって…性質の悪ィヤクザか何かか!!」
はっきり言って、アンタのほうが怖いよ!!
先生のほうがヤクザっぽいよ!!
晋)「…逃げるぞ。」
『ちょっ…!!』
晋助は、私の腕を引っ張り自分のほうへ引き寄せると、即座に抱き上げる。
何でこんな事になってるのか不明だが、晋助は私をお姫様抱っこして走っている。
『(何、この状況…。)』
すごく異様な光景だと思うんだけど…。
高杉晋助。危険人物。テロリスト。
彼が襲来。(2日目)
何か、スッゴイおかしな事に巻き込まれた…
というか、自分で事件にしちゃった気がします。
彼の格好は相変わらずの着物。
何故かこのご時世に帯刀。
そして、顔に巻かれた包帯。
腕にはセーラー服の女子高生。
しかも必死に逃げて走ってる。
『(私なんて置いて逃げればいいのに…。)』
しかし、その頃…。
「…明日奈、さっき、アイツに思いっきりツッコんでましたよ。」
という男子生徒の証言により、
「何?!…じゃあ、あの男は明日奈の知り合い…??」
体育の怖い先生を怒らせていました。
(高杉の無実は晴らされた。)
走り続けて、学校からは少し離れた街に出た。
流石に、ここまで来ると人目が気になって仕方が無い。
『晋助!!晋助!!』
晋)「…ンだよ。」
『下ろして。』
晋助は何も言わずに、私を下ろす。
晋)「オイ、どこ行くんだ。」
『ダ○ソー…。』とだけ呟く私に、「何のために、」と返す。
『買いたいものがあるの。』
晋)「寄り道は禁止だ。」
『…理由はアンタが一人で家に居るのが退屈だから。
つまり、晋助が私と一緒に買い物をすれば何も問題なし。』
晋)「あ゛?俺に、お前の買い物に付き合えってか??」
『そう聞こえませんでした??』
晋)「………、」
『ずっと家に居ても退屈でしょ。…何か買ってあげるよ。』
晋)「………行く。」
釣られやすいな、意外と。
『その格好、すごく目立つよ。まずは服からだね。』
安い店に入ったが、いいものが見つからず…
晋)「…あれがいい、」
晋助は、明らかに高そうな店を指差す。
『死ね!!お前、わざとだろ!!あんなん買えるほど裕福じゃねーんだよ!!
金銭感覚狂ってんのか!!高校生の小遣い考えろよ!!わざとか!?わざとだよな!?』
という、私の悲鳴を無視して晋助はスタスタと店の方に進んでいく。
『え、ちょっと!!』
「これ」と言いながら、服を手にとると、試着もせずにレジに持っていった。
『ちょっと待って、値段確認…、てか、試着しないの??』
晋)「大丈夫だ。イイ男は何着ても似合うんだよ。」
『じゃあ、さっきの店で買えよ!!』
否定はしないが、自意識過剰じゃない??
…否定できない所がスッゴク悔しいけど。
晋)「これ、」
レジに投げるように、上下セットの洋服を出すと、札束を置いた。
『アンタ、そんな大金持ち歩いてんの?!』
そんな大金持ってんのに、何故私の所に居る!!
ホテルでも何でも泊まれよ!!
晋)「釣りはいらねー。」
『要るわ!!!!!』
カッコつけんな。店員、流石に困ってるから!!
『(こりゃ、金銭感覚おかしくなるわ…。)』
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