その他短編

□僕が涙を流す時。
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初めてだった。


今まで当然にこなしてきた。


なのに、どうしてだろう。



いや、答えは決まってる。

その答えは簡単に分かるものなんだ。






僕は彼女が好きだから。


ただそれだけのこと。



そして、この恋は実らなかった。

彼女が敵だったから。


ただ、それだけのこと。




でも、何度言い聞かせても止まらない。







溢れ出す涙が止まらないんだ。










色白な肌を見せて倒れている体。

散るように広がっている長い髪。

薄い桃色の着物に広がる赤い血。










僕は、人を殺して初めて泣いた。



















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