御題小説
□確かに恋だった:「腹黒君にビビる彼女のセリフ5題」
1ページ/6ページ
1.なんか目が笑ってないんだけど
宗)「おはようございます^^」
『(ゲ、)…瀬田君、おはよ。』
笑顔で返すものの、多分その私の表情は引きつっているであろう。
この人、瀬田宗次郎。うちのクラスの優等生。
優等生というと、少し疑問があるのだが…。
何故か、不良の志々雄真実という男とつるんでいるとか…。
勉強も運動も出来る、オール5の人間が…何故かは、分からないけど。
(ちなみに、短距離も長距離も学校一位←)
『それじゃ、』
手を挙げて、その場から去ろうとした…が、
宗)「何で僕から逃げようとするんです??」
『いや、別に逃げてなんか…。』
宗)「じゃあ、一緒に教室行きましょうよ。」
…はい、逃げてます。
瀬田君は「どうせ、目的地は一緒じゃないですか。」なんて言っている。
まあ、そりゃあ、そうなんですけれども…。
『いや、だって、瀬田君も…何ていうか、さ…
勘違いされたら困るんじゃないかなー…^^』
宗)「何がです??^^」
『…そりゃ、…考えすぎかもしれないけどさ、
みんなは恋人なんて考えるんじゃないかなー…??』
宗)「僕は構いませんよ。」
いや、恋人に見られても構わないって、私は困ります。(何となくですけど。)
…逃げられない!!
何でだろう…この人、何ていうか…手ごわい…!!
『…あ、相楽君!!おはよう!!』
た、たた、助かった…!!
この際、クラスの不良の相楽君だろうが何だろうが…←
左)「おっす、夕葉。」
『相楽君も一緒に教室行こうよ。』
左)「優等生の2人に俺か??おかしな光景だろ。」
『いや、クラスメイトなんだからいいじゃん。
ね。どうせ目的地は一緒なんだからさ。』
左)「じゃあ、瀬田も夕葉も一緒に行くか。」
宗)「へー…相楽君は、明日奈さんの事、名前で呼んでるんだぁ…。」
これが、私がこの人の事が苦手な理由です。
『せ、瀬田君??』
相楽君は何か危機感を感じたらしく、「何か邪魔みてーだから、先行くわ。」と言って去る。
宗)「じゃあ、これから、僕も明日奈さんの事、夕葉って呼びますね。」
宗)「ね、いいでしょ??夕葉??」
『……はい。』
何か、私に拒否権は無いみたいです。
『瀬田君…。』
宗)「何ですか??」
『なんか目が笑ってないんだけど…』
『…いや、気のせいでした。』
やっぱり、この人、苦手です。
・