平安恋歌
□肆話
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私は光の君に連れられてお屋敷に入った―
『わぁ…』
立派なお屋敷…。
「今日から、ここが夕葉の家だ。」
光の君は私に笑いかける。
大きくて、美しいお屋敷に、私は目を輝かせるだけだった。
美しく、輝くようなお屋敷を見回すたびに、
ドキドキした。
『光の君…でもいいんですか?みも知らぬ私なんかを愛人として置いて…置いてくださるのは嬉しいですが…。』
「言っただろ?俺が側においておきたいんだって…。それに、それなりに聞いて欲しい事があるんだ。」
『何ですか?私に出来る事なら…。』
「夕葉には辛い思いをさせるかもしれない…。」
ザッ
風が植物を揺らす音―
既に始まっていた私の恋は…
とても辛い恋でした…。
「お願いと条件を聞いてほしい。」
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