学園アリス長編

□08話
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『ん…。』
朝だ…。
目を覚ます。するとそこに、棗の顔がある。

『(綺麗な顔…。)』
って、かなり至近距離じゃない?!

それは、私が棗に抱きしめられてる体制だから。

『そっか…昨日…。』
昨日の夜、「早く寝ろ。」と言われて、「うん。」と肯定したものの…
中々、涙が止まらなかった。

『だって…棗が…何で?何で、棗だけがこんなに傷つくの?』
「………泣くなよ。」
『ごめん…ごめん…だけど…涙が止まらなくて…』
ギュッ
『え…?』
あの時、棗に抱きしめられたンだ…。
優しく…包み込むように…。
「嫌か…?」
『ううん…安心する。すっごく…安心する。ありがとう。』

そんな事を言いながら、いつの間にか眠ってしまったのだ…。

『(ずっと…抱きしめてくれてたンだ…)』
手をのばして、そっと棗の髪に触れる。
『(本当は、私のほうが年上なのに…ごめんね、守ってあげられなくて…。)』

ダッ
『はい?』
すると、眠っていたはずの棗の顔が天井と平行にある。目の前にあるのは変わらないが…

現在、押し倒された状態だと気付く。
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