るろうに剣心長編
□壹話
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それは、ある雪の日の事だった。
『疲れた…。』
今日のお茶会は、いつにも増して疲れた。
着物のまま、大切なぬいぐるみを抱く。
キツい…と思って、帯を緩めた。
『(…眠く…なってきた…。)』
まぶたが重くなる。
そして、私は、いつの間にか、…
キィィン―…
『(あれ??寝てた…??)』
よく、この格好で寝れたな…私。
自分でも驚いた。
『(ずっと、横向きだったから右手痺れてる…;)』
…痺れよりも、さっきから何だろう。
耳鳴りのような音がする…剣…??
『(…耳鳴り…じゃないな。)』
時計を見れば、時刻は、既に夜中の2時を回っていた。
『(誰…??こんな時間に…。)』
目をこすって、外に出てみる…多分、音は書庫のほうからだ。
今日は満月だ。
書庫に入ると、マンガが散らかっていた。
『誰だよ!!剣心は私のバイブルだぞ!!』←
私に恨みを持つ者の犯行…??←
るろうに剣心のマンガを全巻拾い上げると、
『(そういえば、最近読んでなかったなー…)』
なんて思いながら、中をパラパラとめくった。
『そういえば、剣の音…。』
さっきの音は、真剣で争っている音にしか聞こえなかった。
なのに…誰も居ない…。
『(やっぱ、耳鳴り…??)』
そう思った時に、
ザッ―…
『(斬った…。)』
確実にこの書庫の中から聞こえるのに…
何で、誰も居ないんだろう…??
『どこに隠れてるんだ…??』
武器も何もない…怖い……。
剣術は習ったが、竹刀も何も持ってないし…
一応、護身術は習ったが通用するか…。
とりあえず、そこにあった重い辞書を持ち、
襲ってきたら、これで殴ろうと思った。←
『(私の身長じゃ、届くか微妙だけど…)』
進む。
ゆっくり…恐怖の中で…。
段々と音が近づく。
緊張感が高まる。
『ッ―!!!』
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