るろうに剣心長編

□陸話
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夜、夕食後にこっそり薫さんの部屋へ。



『薫さん、…これ。』

じゃんッと、見せた髪の束。

薫)「新作ー??」

『新作です。』



新作、「誠の桜月」は、「誠の雪月」の後の話。


薫)「もう、今日、徹夜して読んじゃうw」

『…徹夜しなくていいですよー、』

薫)「あはは、好きだから、最後まで読んじゃうと思う。」


薫さんは、すごく明るい笑顔をしていた。


『みんなには内緒ですよ??』

薫)「もちろんw」






薫さんの部屋から出ると、剣心が居た。


剣)「…あ、」

剣心は、すごく気まずそうな顔をしていた。



私は、笑顔を作る。

『私と薫さんの秘密ですから、薫さんに聞いても駄目ですよ。』


剣)「おろ、…せ、」



(…拙者、)
…って言おうとしてた。
何だったんだろう??



『…それじゃ、おやすみなさい。』


私は、その場を急いで立ち去った。

剣心の顔が目に浮かんだ。

どうしようか困惑しているような、寂しそうな…
そんな、表情をして、立ち尽くす剣心の顔が…。



剣)「……。」




平気なフリするのも楽じゃない。


今でさえ…


『(何で、あんな事したの…??)』

そんな思いでいっぱいになって…





少しでも、気を緩めれば、涙が溢れそうだから…。







こんなにも、胸をちぎられるような思い…。

私は、あなたに会うまで知りませんでした。






『(沖田さん、私、ここにやってきた意味が分かりません…。)』













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