るろうに剣心長編
□柒話
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左)「夕葉、お願いだ、貸してくれ。」
『また、左之さんか…。』
毎日毎日、この調子で…
左)「またって何でぃ…」
『別にー…』
左之さんは私の部屋にやってくる。
玄関を通らず、裏から入り、私の部屋へ直行。
『(コソ泥じゃないんだから…)』
左)「わぁーった!!おめー、俺以外、男が来ないんだろ!!」
『まあ、そうですね。女の人なら来ますけど。』
左)「可愛くねーからなー…」
『そうですね、女の人からはすごく可愛がられるんですが…』
左)「…顔だけは可愛いんだけどよー、男は、性格が悪い事が分かるんだな。」
そんな女に毎日のように「好きだ」と叫んでいるのはどこのどいつですか??
剣)「夕葉殿、茶菓子をもらったのだが…あ、左之、来ていたのでござるか。」
そこに剣心が入ってくる。
左)「剣心、おっす。邪魔してるぜ。」
『本当に仕事の邪魔なので、帰ってください。』
左)「何おぅ?!」
『…この通り、左之さんが来なくても、家にこんなカッコイイ男の人が居るので。』
と、満面の笑みを見せてみる。
剣)「(///)」
左)「そ、そりゃ、剣心の方が強いけどよ、
俺のほうがカッコイイと思うぜ??」
自惚れすぎじゃない…??
(そりゃ、かっこ悪いとは言わないけど…)
どっちかって言えば、カッコイイに部類するけど…
『…その背中の悪一文字は、頭が悪いの悪だったんですね。』
左)「ちげーっ!!!」
剣)「まあまあ、2人とも、茶菓子でも…」
『左之さんに茶菓子なんて似合いませんよ。』
想像しただけで寒気がする。
左)「あぁ?!」
『だって、左之さん、抹茶なんて飲まないでしょう??』
左)「それくらい、俺だって飲める!!」
『…じゃあ、飲みましょうか。』
剣)「どこかへ出かけるのでござるか…??」
『道具さえあれば、私がたてます。』
…という訳で、
剣)「^^」
左)「…!!」
2人は正座して待っている様子。
『(たまに左之さんのうなり声聞こえるけど…)』
よっぽど正座が辛いんだろうと思う。
『お茶菓子、どうぞ。』
剣)「お菓子、頂戴いたすでござる。」
静かな中に茶筅の音が響く。
『どうぞ。』
剣)「お手前頂戴いたします。」
剣)「結構なお手前で。」
『表千家なんですが、お口に合いましたか??』
剣)「そんなの全然気にしないでござるよ。」
『それなら、良かった。』
剣)「お茶菓子がさらに美味しくなったでござるよ。」
左)「俺はまだか!!」
『…本当、あなたは我慢が出来ないんですね。』
左)「うるせーな!!」
『子供ですね。』
剣)「(左之の方が年上なのを忘れてた…)」
やっと、お茶菓子を食べた左之さんは、抹茶を口にして「美味い。」と言った。
『お粗末様です。』
左)「夕葉は、何でも出来るな!!」
剣)「料理も上手だし、茶道も出来るし、嫁入り先はすぐ決まるでござるよ。」
左)「おう、もう、俺のところって決まってるからな。」
剣)「左之にはちと、勿体無いかと…」
左)「何ぃ!!美男美女でお似合いだろーが!!」
『………;』
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