るろうに剣心長編

□玖話
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『へー、海賊…。』

薫)「そう、怖いわよねー」




現在、薫さんが魚を焼いている。

食料が無いので、私もご飯を作りようが無い。



私の給料を足せば何とかなるんだけど…

薫さんが、「それは自分のために使って!!」と言うので…食費として提供できない。




薫)「いっつも、家事もして、働いて…2つも仕事掛け持ちして…
毎日毎日、何もせずにダラダラしてる男共には見習ってほしいもんだわ。」


ため息まじりに言った頃、3人は…。







弥)「あー、腹減ったなー…」

左)「俺もだぜ、昨日から何も食ってねー」


弥)「うなぎが食いたい。」


剣)「そういえば、牛鍋も久しく食べていないでござるな。」




…なんて言っていたところだった。




『じゃあ、薫さん、私も支度してきますから。』

私が立ち去った後に薫さんが「みんな、ご飯よ!!」と言った。

男3人組みは、喜んでやってきたが…

その食料の少なさに愕然とするだろう。



『(目に見えている…。)』


向こうから、ギャーギャー騒ぐ声がした。


剣)「拙者は頭でいいでござるよ。」

左)「ちょっとまて、頭ってのも捨てがたいぜ…」

弥)「てめえはしっぽだ!!ただ飯食らいの分際で!!」

『(食うところねーじゃん…。)』

毎日のように出稽古に行って稼いでいる薫さんでさえ、食べてないのに…
何て、醜い争いをしているのだろうか…。




着替えて、支度を済ませて行ってみれば、貴重な
食料を猫に食べられてショックを受ける3人の姿があった。


『(3人で分けて食べる時に、落ちたんだね…。)』



そこに居たあやめちゃんとすずめちゃんによると、
残ってて勿体無いので、猫にあげたらしい。







ご飯なんて、残っているわけが無く…

左)「料理が上手いヤツが居ても、食料が無いんじゃーなー…」


弥)「みんな、薫のせーだー!!」

もう、やけになった弥彦が叫ぶと、薫さん登場。


薫)「誰のせいですって?!」




薫)「居候が2人、ただ飯食らいが1人、…私が汗水流して出稽古で稼いだお金と、
夕葉が子守りで稼いだお金、それと相談のお礼に貰った、食料を切り詰めて生活してんの!!」


『薫さん、私のはいいんですよ。私も居候の身ですから…』


薫)「いいの、夕葉はね、居候って言わないの。
ちゃんと生活費払ってるんだから、これは下宿って言うの。」





薫)「でも、この男共ときたら…何が牛鍋よ!!うなぎよ!!伊勢海老よ!!
びた一文稼いだことも無いくせに!!男が3人、揃って毎日ブラブラ…。
よく、何もせず女に養ってもらって、堂々とお天道様の元を歩けるもんだわ!!」




その場を逃げようとした、3人。


『逃げるんですか??』


弥)「ちょっと厠に…」

左)「用事を思い出してな…」

剣)「まだ洗濯物が…」


走り出そうとする3人に、薫さんが思いっきりご飯が入っていた桶を投げつけ、

剣)「おーろー…」

緋村さんの頭に直撃しました。





『格好悪い。都合が悪いと逃げるなんて、最低ですね。』



「「「………。」」」






薫)「…じゃあ、行きましょうか。」

『そうですね。』




何も突っ込まれなかったが、現在、私は袴姿。
こっちに来て、初めて着たような気がする。



薫)「その袴、どうしたの??」

『この間、左之さんを思いっきり殴った後に買って来ました。』

薫)「(左之を殴ったって…一体何が…。)」



もう、思い出したくない、例のあの絵の時です。




『男物だったんですが、サイズはいいようだったので。』


私の記憶違いでなければ、沖田先生のものに似ているから上機嫌。



薫)「着替えも持った??」

『はい、大丈夫です。…あ、あと、男として行くので、よろしくお願いします。』

薫)「…え??」






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