その他短編
□勉強のために学校残っても何だかんだではかどらないことも多い。
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放課後の教室には夕陽が差していた。
そこには、カップルが居て、勉強をしようと思っていた私は、『先越されたかー』と呟いて、回れ右!!
いつもの場所に向かった。
『失礼しまーす。銀八せんせー!!』
銀)「何、今先生忙しいんだけど。」
『ジャンプ読んでるだけじゃないですか。』
銀)「だから忙しいんだよ。今月の四冊を名残惜しんで読み返してんの。」
『どうせ捨てずにずっととっておくクセに…』
銀)「ジャンプは俺のバイブルなんだよ。」
『はいはい、ジャンプはいいですから、今日もこの席借りていいですか?』
銀)「どーぞ。」
ここは先生が居る、国語研究室。
私はいつも、銀八先生の隣に座って勉強してる。
放課後はココが私の特等席。
…なんて言えたキャラじゃないけど、
教室に居れない理由を見つけては、ココに来る。
銀)「…で、今日はどうしたんだよ。教室空けといてやったろ。」
『んー…でも、何か高杉くんが女の子とイチャイチャしてたから。
ナニが始まろうとしてたから速攻逃げてきちゃったんだよねー。』
銀)「ナニ、ってアレのこと?」
『うん。人の見るほど趣味悪くないし。』
銀)「わー…それ知って明日そこで授業すんのも嫌だなー。」
『いっつもやる気無いじゃん。』
銀八先生は「そうなんだけどねー…」と呟いて、ジャンプに目を通す。
『あ、そういえばさっちゃん教室に居たな。』
銀)「…何でだよ。」
『だって、銀八先生が鍵閉めに来るの狙ってるもん。置いて来ちゃったけど、高杉くんが居るのに入れる雰囲気でもなかったんだよね。』
銀)「アイツのことだ、また掃除ロッカーとかに隠れてんだろ?」
『ご名答。高杉くんかっこ悪いなー。見られてるとも知らずに。』
銀)「あー、高杉に言ってやろ。」
『わッ、絶対やめて!!怖い!!絶対ココに入れなくなるもん!!』
銀)「…そりゃー困るな。」
『…ん?』
銀)「夕葉がこの学校に居なくなるのは困るなーって思って。」
『…どうしたの?急に。』
銀)「俺、好きでもない女のために面倒なことしない主義だから。」
銀八は、
誰のために教室空けてやってると思ってんだ、
お前が勉強したいって言うから俺も遅くまで残ってんの。
頼んできたのがお前じゃなかったら、俺はとっくに帰ってんの。
お前が来るからこの席も空けてあんの。
俺がジャンプ保管するために使ってたのにさァ、俺が片付けたんだぜ?
と、話を続けた。
銀)「あれ、顔真っ赤だけど。…もしかして脈アリだったり?」
『…私も先生の傍に居たくて、ココに来てるから///』
卒業するまでは、ココで。
銀)「俺の隣に居ろ。」
『うん!!』
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