その他短編

□感動的な話の後には必ずオチがある。これお約束。
3ページ/6ページ









そして、一週間が経った頃。


総)「…たまには気晴らしってのも悪くねーだろ?」

『待ってて欲しいって、近藤さんから聞きませんでした?』

総)「…俺は近藤さんみたいに人が良くねーんでさァ、
土方なんかが死んで、こんなにも長く悲しむ奴が居るってのは腹立たしいんでねィ。」

『だから急かすんですね、』







ただ宛ても無くて、ただ沖田さんの後ろを付いて行っただけだったけれど。




『あれ、沖田さん…??』

ずっと後ろを付いていたつもりだったのに、はぐれてしまったようだ。







銀)「…お、夕葉。」

『銀ちゃん、』

銀)「元気になったのか?」




『…え、う…うん。』

銀)「…嘘だな、笑えてねーぞ。」

『…ごめん、銀ちゃッ…』


枯れた涙が溢れ出す。

私の体内にまだ水分は残っていたのかと思うほどに涙が止まらなかった。


銀)「こっち来い。」


人前で私を泣かせたくなかったのか、銀ちゃんは誰も見ていない場所に連れて行ってくれた。



銀)「泣きたい時は泣けばいいからさ、」

『……ごめッ…でも、止まらなくて、…』

銀)「まだ忘れられねーんなら、泣けばいいじゃねーか。
上等だ。俺がずっと受け止めてやらぁ。待っててやっから。」

『…すごく、時間がかかっても?』


銀)「銀さんは器のデカい男だからね。何時間でも何日でも待ってやる。」

『そんなに体力続かないよ…、私…。』

銀)「今は俺のことなんか心配してねーで、思いっきり泣け。」


『銀ちゃんッ……、死んじゃった…。…土方さんが…ッ。』

銀)「おう。」






まだ納得は出来ないけど、もう泣き続けるのは疲れた。



土方さんだってそれを望んでるはずが無い。




きっとあの人なら、「さっさと仕事しやがれ」って言うんだろうな、



…って、そう思えるくらいになったから。


私にとっては進歩だった。







『銀ちゃん、ありがとう。』

銀)「銀さんの服、夕葉の涙でめっちゃ重いんですけど。」

『ごめんね、』

銀)「久々に笑ったな、お前。」


『…銀ちゃんのおかげだよ、ありがと。』


銀ちゃんは「じゃあな」と言って、私がもう一度『ありがとう』と言えば、
こちらに背中を向けたまま手を上げて去っていった。






総)「…こんな所に居たんですかィ、さぁ帰りましょうや。」

タイミングよく、沖田さんが私を見つけ出してくれて、私は笑顔で『はい』と返事をした。


総)「…久々にアンタの笑顔見れて良かった。」

『…何か言いました?』

総)「1週間サボってきた分、明日からきっちり働けって言ったんでィ。」

『はい、頑張ります!!!』








次の日。




普段の真選組の対服を着て、私は朝食をみんなと一緒にとった。


みんなが変わらない態度で、何も無かったように接してくれることが嬉しかった。




『それじゃあ、見回り行って来ます!!』


勲)「…そうか、…それじゃあ、元気な顔、お妙さんに見せておいで。」


『はい!!』



私は完全復活した笑顔をお妙ちゃんに見せに行った。












勲)「(トシ、お前は幸せモンだな。)」









次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ