その他短編

□汚れた手
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その後、幕末の動乱は激化していく一方。






『…あの、桝屋には長州が潜んでいます。』

歳)「ああ。」

『京都炎上させようとさせているのは、吉田稔麿。
彼も同じく、こちらの話を知り…どちらが罠にはまるか。』


土方は、フッと笑った。



『…情報がこの程度ですみません。』

歳)「いや、充分だ。山崎よりは遅いが、それ以上の情報を持ってきてくれた事、感謝する。」



『いえ、それではこれにて…。』


私は新撰組屯所を立ち去った。





私は、忍から、元の甘味屋の娘に戻る。







『(ただ…。)』


もう、ただの甘味屋の娘で留まる事は許されないようですね…。






「どうしたん、夕葉ちゃん…。」


甘味屋の女将さんは、「前は毎日、店におったやんか。」と言う。


確かに…でも、もう、私は忍に戻るときなのかもしれません。





『…すみません、行ってきます。』




元治元年6月1日。



…あの、池田屋事件まであと4日。








総)「…あれ、今日も居ないんですか。夕葉さん。」

「剣客さん、アンタ、ホンマにここに何しに来てるんよ。」

総)「えー…半分お菓子のため。半分は夕葉さんのため、…ですかね。」



「…うちには、9割くらい夕葉ちゃん目当てに見えるんやけどなぁー…」

総)「そうですか??」


「剣客さんは、冗談9割なんやろ??信用できへんわ。」


総)「アハ、それでいいですヨ。」









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