その他短編

□羊数えるの自体に夢中になったりして 結局 眠れない事も多い
1ページ/10ページ





『…はァ?!』

これが、本日の仕事の第一声がこれ。



いきなり、意味の分からない言葉から始まって申し訳ないです。

私、真選組の屯所にて女中をやっている明日奈 夕葉と申します。


ここには、隊士目当てでやってくる女中はたくさん居る。
でも、私は違った。むしろ、口癖は「だから男ってやつは…。」だ。

つまり、男は大の苦手で、大嫌いである。



私は、そんな男嫌いな自分が嫌いではない。
男なんて信じれないから、別に今のままで構わない。

ただ、あの暑苦しいゴリラと呼ばれる、ここの局長が父の知り合いだとか…
そんな感じで、何故かここで働く事になったのだった。


何で、こんな男だらけの場所で…。






総)「だからァ…さっさと支度しろィ。」

『何で命令口調なんですか…??』

私は、一番隊隊長の沖田総悟を睨みつけた。
この中で彼が一番苦手である。


特に、夜中に呪文のように、羊ならず土方副長の死体を数えて寝ようとしてるときとか。


総)「隊長命令。」

『…だから、何で私なんですか??』

てか、私はあなたの部下じゃないんですが…。


総)「時間がねーんでさァ…。」

『だから、他の子誘えばいいじゃないですか!!』




総)「…早くしろィ!!お前だから、頼んでんだ!!」

『そんなん都合がいいだけじゃないですか!!
てか、私仕事なんですよ!!何言ってるんですか!!』


総)「女は支度に時間がかかるっていうから早めに言ってやってんのによォ…。
何で人のありがたさってのが分かんねェんだ…着替えろ。出かける。これ命令。」



彼は「以上!!」と言いながら、去って行った。



沖田総悟、性格はドS。危険人物。これ以上逆らうのはマズイ。


『(ここから叫べば、負け犬の遠吠えのようだ…。)』
そう思って、これ以上は何も言わなかった。


ズンズンと早歩きをして、屯所内を進み、自分の部屋へ戻った。




近藤局長は何か接客中みたいだし、土方副長は朝から居ないし…。

『(女中の仕事があるのに…沖田隊長の命令…。)』

何で、こう勝手なのよ…。




『(だから、男ってやつは…。)』

早く言ってやってるって言ったって、ついさっきの事。
女は支度に時間がかかるって知ってるのなら、もっと早く言うべきだ。

せめて、昨日のうちに言っておいて欲しかった。

分かったような口調してるけど、ホント何も分かってない。



…そんな思いをめぐらせつつも、私は髪型を整えた。
お前にしか頼めない…みたいな事を言われてしまうと仕方が無い。

女中の中でも住み込みで働いているのは少ないのだ。

それで私。いつもちょっかい出してて、慣れてる私。



『(何であんな人の言う事聞いているんだろう…??)』

自分が、あの隊長命令のために着替えてめかしている事が馬鹿馬鹿しくなる。



私は、着替えて沖田さんを探した。


『(人にはさっさとしろみたいな事言っておいて、どこに行ったんだー!!)』




すると、隊士たちが集まっている姿が見えた。




『(何??出歯亀??)』




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ