その他短編

□羊数えるの自体に夢中になったりして 結局 眠れない事も多い
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私は、(何故か)沖田さんに連れられて、喫茶店に入った。


沖田さんのお姉さん、ミツバさんが前。沖田さんが隣に居る。

この状況は、一体何ですか…??
何か、おもいっきり化粧をして、気合が入ってるみたいで嫌なんですけど…。

何ですか、この並び。両親へ結婚の挨拶しに来たんですか。



『あの、私、少しドリンクバーでも…』

ミ)「気を使わなくていいのよ。」


ミツバさんは、優しく微笑み、…何気にとめられた。

沖田さんがミツバさんには心を開いているのが分かる。
普段の沖田さんと、今の沖田さん。どっちが本当の沖田さんのか分からないけど。


ミツバさんは、この度、結婚する事になった。
そして、この江戸に住む事になったので、姉弟は今までと違い、すぐに会えるのだ。



総)「僕、嬉しいです。」

ミ)「私も嬉しいわ。」



何となく微笑ましくて、私も嬉しくなる。


総)「(何、笑ってンでィ…。)」

その時、小声が聞こえた。



「ぼ、僕だって…。」


『(え、山崎さん??あの人、今日の沖田さんは見なかった事にするとかって…。)』

先ほど、その言葉を聞いたばかりだったのに…。

…というよりも、素人の私に存在がバレるなんて、あの人、本当に優秀な観察…??




ミツバさんが、私が向いている方向に気付き、「何かあったの??」と問う。


ミ)「…夕葉ちゃん??」

『…あ、いえ、何でも無いです。』

何でだろう、この人に呼ばれても、馴れ馴れしいとか…嫌な気が全然しないや。




沖田さんが話をもどし、「でも、僕、心配です。」と言う。

総)「江戸は空気が悪いから、姉上のお体に触らないか…。」

ミ)「大丈夫よ。総ちゃんの毎月の仕送りのおかげで治療もちゃんとしてるし。」


そうか、仕送りとかしてたんだ…。


総)「でも、あそこなんてあんなに…。」
と、沖田さんが外を指差し、ミツバさんがそちらに注目した瞬間。


沖田さんがいつもの沖田さんに戻った。

彼はどこから出てきたのか、バズーカをかまえ、山崎さんたちの方へぶっ放った。


『………。』


私の頭の上、恐ろしいものが通り抜けていったんだけどナ…。


ミツバさんは、「確かに変なにおい…。」なんて言っていた。


『(いや、気づけよー!!)』



総)「だから心配です。」

『(空気悪くしたの君だからね!!君だからね!!)』






ミ)「…それにしても、知らなかったわー。総ちゃんに、こんな可愛い彼女が居たなんて…。」

『(はィ…??)』

総)「はい、自慢の彼女です。」

手を開き、指先を私に向けて丁寧に私を紹介した。


思考を何とか追いつけて、私は自己紹介をした。



『屯所で女中をしてます。…何ていうか、沖田さんには、
もっと素敵な方が居ると思うんですけど…。』


何か、すみません、…私なんかで。


ミツバさんは、手を口元にあて、上品に笑う。


ミ)「充分素敵よ。総ちゃんには勿体無いくらい^^」

私は、頬が熱くなるのを感じた。


総)「ちょっと、姉上…!!」

ミ)「でも、良かったわね。」

総)「はい…。」

気のせいだろうか、…彼も頬を赤く染めた。





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