その他短編
□勿忘草
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忘れない。
君を、忘れる事は無いだろう。
いや、出来るはずが無いんだ。
本気で愛した人だから―
目の前に広がる、青紫の花畑は…
愛が真実である証であり、君を忘れないという誓いである。
そっと吹く風が、長い髪を包む。
緋色の夕日…。
直接見ると、眩しくて少し目を細めた。
『………。』
「………。」
よく分からないけど…この景色は心が安らぐ。
何となくだけど…今、あなたも同じ景色を見ている気がする。
『剣心。』
「夕葉。」
聞こえるはずの無い声…。
今は、君の名前を忘れたくないから。
君の名前を呟くよ。
今でも、
君を愛してる。
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